2018 Fiscal Year Research-status Report
スポーツ・ツーリズムの地域的展開に関する実証的研究
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16K01692
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
前田 和司 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (30229299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 周祐 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (00634221) [Withdrawn]
松村 和則 筑波大学, 体育系(名誉教授), 名誉教授 (70149904)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | スポーツ・ツーリズム / アウトドア・スポーツ / 林業 / 地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目にあたる平成30年度は、H地区の生活課題調査とスポーツツーリズム開発の影響調査、現地におけるプログラム開発を行う計画であった。 H地区の生活課題とスポーツツーリズム開発の影響調査については、前年度から継続的に実施した。当初、H地区を対象としていたが、アウトドア・スポーツを実施する可能性が南会津町全域に広がっていたため、調査範囲を広げて実施した。 また現地におけるプログラム開発のための調査も継続的に実施した。それに基づいてプログラムを開発し、その試験的実施をアウトドア・メーカーの社員研修の受け入れという形で計画した。しかし、最終的な日程調整がつかず、実施までには至らなかった。 むしろ、平成30年度は、南会津町を基盤にしたスポーツ・ツーリズムの実施組織の整備に重点をおいた研究活動であったといえる。実施主体として平成29年度末に一般社団法人を設立し、現地で林業を営むとともにアウトドア・スポーツの専門家でもある2名と協力関係を構築し、補助金の導入とプログラムの試験的実施を可能にするところまでアクションリサーチを進めることができた。また協力者2名は現地のアウトドアプログラムの実施可能性についての調査および情報提供を依頼してきた。またそのうち1人には、林業とアウトドアスポーツ観光業を両立するための、小規模林業のあり方について、北海道の実践者の調査に従事してもらった。 ただし、3年目の計画としてあげていた報告書の作成については取り組むことができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要にも述べた通り、平成30年に予定していた対象地域の生活課題とスポーツツーリズム開発の影響調査についてはおおむね計画通りに実施した。 また、新たに開発したプログラムの試験的実施には至らなかったのは、現地のアウトドア専門家と参加対象であったアウトドア・メーカーとの日程調整がうまくいかなかったためである。 しかし、アウトドア・スポーツ観光のプログラムを実施する主体として一般社団法人を設立し、現地のアウトドア・スポーツ専門家2名との協力関係を構築することができたことは、今後の事業展開に関する研究が継続的に進展する可能性を開いた。特に、現地居住者ならではの地元の個人、団体、組織との関係づくりや情報提供、そして現地のアウトドア・スポーツの実施可能性についての実地調査、さらにそれらを組み合わせてプログラム化することが可能となった。 3年目に計画していた報告書作成は、研究代表者および研究分担者が編者として研究書出版に携わっていたため、十分な時間が取れなかったためであり、令和元年度に延長して作成することとする。
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Strategy for Future Research Activity |
当初3年間での研究計画であったが、3年目に計画していた報告書の作成にまで至らなかった。そのため令和元年度まで研究を延長する。これまでのアクションリサーチの成果をまとめ、南会津全域の生活課題調査とスポーツツーリズム開発の可能性を示したい。そして現地協力者を支援しつつ、南会津の特色を生かしたアウトドア・スポーツによる観光プログラムの試験的実践を行っていきたい。 その参加者としては北海道教育大学岩見沢校のアウトドアライフコースの学生を計画している。授業の一環としてプログラムに参加し、その評価に協力させるとともに、自分たちも我が国の山村が直面している課題を理解し、その解決に貢献しうるアウトドアのあり方を考察させる。この試験的実施には調査地である南会津町を通じて、福島県の「大学生の力を活用した集落復興支援事業」に応募する予定である。 さらに協力者には、アウトドア観光と林業を両立させる生活のあり方についても模索してもらう。そのために、少人数で行うことができる小規模林業についても見識を深めてもらう。
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Causes of Carryover |
平成30年度において、研究代表者および研究分担者が研究書出版の編者となり、多忙のため本研究の最終年度に計画していた報告書作成等が行えなかった。また、平成30年度に計画していた、調査対象地である南会津町の特色を生かしたスポーツ・ツーリズム・プログラムの試験的実施が日程調整の関係で実施できなかった。そのため科研費に残額が生じた。令和元年度は、このプログラムの試験的実施をあらためて企画・実施する。その際、調査対象地である南会津町を通じて福島県の「大学生の力を活用した集落復興支援事業」に応募し、連携を深めていくことも検討している。これまでの調査結果、それらの成果も加え、報告書を作成する。
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