2016 Fiscal Year Research-status Report
金メダル獲得のための新たな技術分析と指導法の提言~「屈身ベーレ」を例に~
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16K01706
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
原田 睦巳 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 先任准教授 (40365565)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 体操競技 / コーチング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は研究初年度にあたり、本研究の課題となる技である「屈身ベーレ」の実験を中心に研究活動を実施した。仮予備実験を平成28年6月に一度、予備実験を平成28年7月に実施し、本実験は平成28年9月に行った。6名の被験者によって「ベーレ」及び「屈身ベーレ」を実施してもらった。被験者の選出に当たっては、既に「屈身ベーレ」を習得し、競技会で実施している被験者を選出し、この中に世界選手権に日本代表として出場したことのある被験者を含めた。また、比較対象及び「屈身ベーレ」を習得する対象となる被験者も選出し、この被験者にはかかえ込み姿勢で行う「ベーレ」を実施してもらい、研究の比較対象として実験データの収集を行う事とした。実施された技は当該被験者が納得できる良い動きと判断出来るまで実施してもらい、被験者が納得できたより良い動きを研究対象として採用した。 本実験終了後に、実験で得られた動画をコンピュータに取り込み、動画処理ソフトFrame Diasを用いて2次元の座標から得られた数値をもとに各角度計測を行った。また、動画処理ソフトForm Finderを用いて、運動学的手法である各運動局面をトレース画像を作成し、運動学的研究の原資料として作成を行った。 当該年度に実施した内容は実験に関係する事項がほとんどであり、得られた実験データ及び運動学的手法によって得られたトレース局面図、自己観察報告を元に次年度における研究計画への基盤を構築するに充てられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した平成28年度の研究実施計画に沿って概ねその内容を実施する事が出来ている。しかし、被験者の1名が家庭の事情により、本実験に参加できない事態が発生し、後日別日程にて再度実験をこなう必要性が生じたことから、この被験者の実験データの処理や、運動学的手法であるトレース局面図の作成に若干の遅れが生じているが、大多数の被験者における実験データの処理はほぼ終了していることから、今後大幅な遅れが生じる可能性は低いと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度においては交付申請書にある平成29年度の研究実施計画に沿って、研究を実施ていく。 すなわち、平成28年度の実験によって得られた実験データ及び運動学的な研究手法であるトレース局面図、自己観察報告及び他者観察報告によって得られた研究成果から、具体的なポイントを得た指導方法の立案を行い、介入指導へと進捗させていく予定である。また、介入指導によって得られた結果から、立案された指導方法の妥当性を検証し、指導方法の再検討を行い、指導方法の改善を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
平成28年度は、当初購入予定であった自動追尾3次元動作解析ソフトの購入を取りやめ、2次元動作解析で本研究の内容を満たすことが出来ると判断したため、物品費が減額となった。また、旅費については、オリンピックイヤーであったことから、トップアスリートの種々大会出場が少なく、調査を実施する機会が通常より減少したため、減額となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は、昨年度に実施出来なかった他所属のトップアスリートにおける調査を各競技大会を通じて調査を行う予定である。また、研究が次のステージ(介入指導)へと移行していくため、被験者へのフィードバックが滞り無く実施出来うる状況設定に必要とされる物品の購入が必要となると考えられる。具体的には、紙媒体において被験者へのフィードバックが必要となる状況、及び電子媒体でフィードバックが必要となる状況が考えられる。また、トレース局面図を迅速にデータ処理する必要性も考えられるため、本研究にとって最も必要とされる物品をよく精査して購入に当たるようにする。
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