2016 Fiscal Year Research-status Report
身体活動量の増加を意図した保健事業の評価方法の構築
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16K01757
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
重松 良祐 三重大学, 教育学部, 教授 (60323284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 宏哉 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (60412376)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 枠組み / 運動 / PAIREM / RE―AIM |
Outline of Annual Research Achievements |
身体活動促進のポピュレーションアプローチによる事業展開には、広報や住民認知度の向上、効果の検証、継続といった複数の局面が存在する。しかし、これら複数の局面を体系的に評価し、各局面の評価指標まで具体的に示した枠組みは見当たらない。そこで本研究では身体活動促進事業を評価する方法を作成することとした。 方法として、自治体の事業(ポピュレーションアプローチ)に精通している研究者ら17名が先行研究を踏まえて評価モデルを採択し、モデルに沿って局面を測定する項目を設定した。その後、これらの項目に6市町の既存データを適用した。 その結果、RE-AIMという5局面モデルが事業の多面性を反映していることから、このモデルを採択した。ただし、開始前の計画局面を付加し6局面とした。各局面の主な項目は以下の通りである。 【計画局面】健康目標やターゲット集団を定める。【採用局面】実施した行政区等の割合を算出する。【実施局面】ターゲット集団に向けた情報提供や教育機会、サポート環境の状況を記録する。【到達局面】情報や教育が提供されたターゲット集団の割合を測る。【効果局面】身体活動実施率の変化といった健康目標の達成状況を示す。【継続局面】長期経過後の採用と効果を表す。モデルを6市町のデータに適用したところ、すべての局面を評価することができた。 結論として、身体活動促進のポピュレーションアプローチを俯瞰的に評価する改変型RE-AIMモデル:PAIREM(ペアレム)と測定項目を作成できた。この評価方法を活用することでポピュレーションアプローチのプロセスを随時確認・改善でき、かつ健康目標の達成具合を客観的に評価できるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
身体活動促進の事業を評価する枠組みとその測定項目を設定し、実際の事業データに適用するという当初の計画通りに進展していることを確認したため。
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Strategy for Future Research Activity |
全国100以上の自治体で展開されている身体活動・運動のイベントを事業と見立て、その事業の実施プロセスと社会的インパクトを評価する予定である。当初の計画では自治体数や事業対象者を限定していたが、上記イベントを支援している組織が本研究の趣旨に賛同してくれた結果、自治体数と事業対象者を拡大できるに至ったためである。
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Causes of Carryover |
ノートパソコン等の消耗品を計画通りに購入する必要がなくなったために、物品費の支出を抑制できた。研究者との打ち合わせはにインターネット電話等を活用したため、旅費の支出が少なくなった。これらが次年度への繰り越しの大きな理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
知見を発表する機会や研究者との現場視察を兼ねた打ち合わせの機会が増えることから旅費の支出が増加することを想定している。
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