2016 Fiscal Year Research-status Report
ゲノムマイニングに基づく新規ラッソペプチドの単離と構造決定
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16K01913
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小谷 真也 静岡大学, 農学部, 准教授 (20510621)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ラッソペプチド / 抗菌物質 / 放線菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラッソペプチドとは環状ペプチドの一種で、抗菌、抗ウイルス作用を示すなど多様な活性を有する医薬上重要な化合物群である。申請者は、これまで放線菌の形態分化および抗生物質生産システムに関して研究を行い、放線菌の研究において先駆的な成果を挙げてきた(Kodani et al. PNAS 2004、Kodani et al. Mol. Microbiol. 2005)。最近ではペプチド性化合物の構造決定を多数行っており、植物病原性放線菌から新規シデロフォアを単離・構造決定しその生合成遺伝子を同定した(Kodani et al. Org. Biol. Chem. 2013)。またゲノムマイニングの手法を用いて、2種類のシデロフォアの単離・構造決定に成功している(Kodani et al. Biometals 2015)。近年、ゲノム情報が蓄積されてきており、ゲノムからその存在を予測し、二次代謝産物を得るという試みもなされている (Kersten et al. Nat. Chem. Biol. 2011)。そこで申請者のゲノムマイニングによる探索により、これまでゲノムが決定された970種以上の放線菌のうち、50株においてラッソペプチド生合成遺伝子の存在が見出された。このうち20株のラッソペプチド生産試験を行った結果、4株において新規ラッソペプチドの生産を見出した。計画に従い、計4個の新規ラッソペプチド、すなわち放線菌Streptomyces cattleyaからcattlecinを、Planomonospora sphaericaからsphaericin、Actinokineospora spheciospongiaeからactinokineosin、 Streptomyces achromogenes subsp. achromogenesから、achromosinを単離し、構造決定に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
すでに計画していた4株からの新規ラッソペプチドの単離・構造決定が終了した。またさらに論文にまとめて発表済みである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、さらにスクリーニングを進めて、新規ラッソペプチドの生産株を複数見出している。さらに新規ラッソペプチドの単離・構造決定を進めていく予定である。
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Research Products
(7 results)