2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K02103
|
Research Institution | The University of Shimane Junior College |
Principal Investigator |
工藤 泰子 島根県立大学短期大学部, 総合文化学科, 准教授 (60460680)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 観光学 / 観光史 / 松江 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、島根県松江市を事例に、地方自治体における戦後の観光行政の展開を明らかにするものである。平成28年度に実施した研究実績については、以下の通りである。 1.本年度は研究開始年であることから、本研究実施にあたっての基礎的作業として、申請者が予備調査として作成していた松江市の観光年表[明治期以降、おおむね市制施行100周年を迎えた昭和64年(1989)まで]について、内容の補強、整理を行った。 2.上記1の年表をもとに、松江市における大規模な行事(くにびき国体、第21回全国菓子大博覧会)、都市の表象、観光資源に関する文献資料、新聞記事を網羅的に収集し、全体的な流れを把握した。 3.上記1および2の調査を進めるうちに、申請時の研究実施計画とは実施の順序が異なるものの、戦後の大規模行事開催、松江の都市イメージとの関連から、松平家第7代藩主である松平治郷(不昧公)に関する調査研究開始時期を繰り上げる必要性が出てきた。また、公の没後200年を2018年に控えているということも、研究開始期を早めた理由である。不昧公の顕彰事業を中心に、文献資料、新聞記事の収集、検証し、公の松江観光における文化資源としての成立背景について明らかにした。研究成果については、第20回日本国際観光学会全国大会(10月)において口頭発表を行なった上、論文にて公表した(『日本国際観光学会論文集』29年3月)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記評価の理由として、本研究の基礎的作業として、明治期以降の観光年表の内容補強、整理を行い、戦前から戦後にかけての松江観光の全体的な流れを把握し、本研究の推進方策を明確にできたことがあげられる。また、本研究の具体的目標としてあげていた3つの項目、すなわち、1)「松江国際文化観光都市建設法」成立前後の観光政策を明らかにする、2)大規模行事開催による観光都市としての変貌と影響を明らかにする、3)松江市における都市の表象の変遷を明らかにする、の全項目について、網羅的に文献資料を収集できたこと、さらに、3)については、具体的に松平不昧公を対象とした調査を行い、研究成果を公表できたことがあげられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度も継続して調査を進める。現時点での計画としては、大規模行事(くにびき国体、第21回全国菓子大博覧会)について、集中的に関係資料の収集、調査を引き続き行い、都市の変貌を解明していく予定である。 同時に、観光資源、都市イメージの研究課題について、一層の考察を進める。
|
Causes of Carryover |
旅費が予定額を下回ったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
文献資料の購入(物品費)に当てる予定である。
|
Research Products
(2 results)