2017 Fiscal Year Research-status Report
日仏文化政策と市民との関係を踏まえた持続可能な観光プログラムに関する研究
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16K02104
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Research Institution | Information and Research Center for Learning |
Principal Investigator |
松本 慎二 公益財団法人学習ソフトウェア情報研究センター, その他部局等, 研究員 (50454195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝田 健治 サイバー大学, IT総合学部, 客員教授 (00465460)
内海 麻利 駒澤大学, 法学部, 教授 (60365533)
澤井 進 公益財団法人学習ソフトウェア情報研究センター, その他部局等, その他(移行) (60462933)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 日仏文化交流 / アルベール・カーン / 日露戦争 / 文化政策 / 文化財 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.日本と仏人実業家アルベール・カーンの関係に係る研究では(1)講演、<日仏文化交流史の中のアルベール・カーン>を実施した。29年12月。日仏会館、日仏図書館情報学会の共催で東京日仏会館で開催した。キーノート・スピーチを担当。京都市の琵琶湖疎水建設、日清日露戦争における日本政府の戦時国債応募などについての研究を発表した。アルベール・カーン自身は特に日本に親近感を抱いていたということは無く、普通のユダヤ系アルザス人であった。さらに(2)パリ近郊ブローニュ=ビヤンクール市のアルベール・カーン資料館新館建築工事の現況を報告した。当初予定より大幅に遅れている。またアルベール・カーンの生涯のデジタル映像化事業も遅延を強いられることとなった。 2.日仏文化交流の促進に係る研究実績では(1)フランス社会科学高等研究所S.ルシュヴアリエ教授との公開討論をおこなった。29年12月。日仏研究者の人事交流等について多面的に論議した。特にフランスのグランゼコル、国立古文書学校との緊密な協力が論議された。例えば社会科学高等研究所が日本人学生をまず受け入れ、国立古文書学校の授業を受講するスキームなどが論議された。会場は霞が関ナレッジ・スクエア。ルシュヴァリエ教授は現代日本社会研究の第一人者であると同時に、日仏財団の創立者でもある。また(2)主なフランス地方自治体観光政策担当者の面接調査を実施した。特にリヨンとボルドーを取り上げ、文化政策全般について担当者との面接調査をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アルベール・カーン資料館新館の建築計画の遅れにより同館が所蔵する豊富な映像資料を自由に利用できなかったために、当初の計画を変更せざるを得なかった。 同資料館の所在地であるブローニュ=ビヤンクール市は近年斬新な文化政策を次々と発表しており、カーン資料館新館の建設もその一環と考えられる。他にも、かってのルノー主力工場があったセーヌの中の島セガン島に坂茂氏設計の独創的な多目的音楽ホールが竣工している。また国としても文化省が同館を1昨年国の文化遺産に正式登録するなど地方の文化政策を後援している。国と地方の相互協力の実態は新たな調査協力の対象となるであろうと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
アルベール・カーン資料館新館の竣工が平成31年にずれ込む予定であることに鑑み、カーンの生地(アルザス地方マルムーチエ)での戸籍等の調査、日本で最初の外債募集の例である琵琶湖疎水の場合などについて残された事業期間努力を傾注する。
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Causes of Carryover |
アルベール・カーン資料館新館工事の遅延のため、カーンの生涯のデジタル映像化事業のほとんどが今年度中には実施できず、次年度使用したい。
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Research Products
(3 results)