2018 Fiscal Year Annual Research Report
Kant's Thought and its Development from His Critical Philosophy to That of His Later Years: In Working towards a Full Japanese Translation of Opus postumum
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16K02150
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
田中 美紀子 神戸女子大学, 文学部, 教授 (80759613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 泰史 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (90183780)
内田 浩明 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (90440932)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | カント / オプス・ポストゥムム / 自然科学 / エーテル / 自己定立論 / 直観 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度には計4回(9月、12月、平成31年1月、同3月)の研究会を開催した。第1回、2回および第4回目の研究会では、昨年同様、カントの批判期(1781年から1790年)の超越論的観念論から、彼の晩年(1790年代から1803年)の思想への発展を解明することを念頭に置きながら、カントが遺したメモや草稿集『オプス・ポストゥムム』を翻訳し、内容について討議を重ね、翻訳を推敲した。 第3回目の研究会では“The Post‐Critical Kant―Understanding the Critical Philosophy through the Opus postumum”(Routledge, 2015)という本の著者であるブライアン・ホール教授をアメリカから招き、神戸女子大学において講演会を開催した。彼は、彼の著作の中で、カントの遺稿集からさかのぼって、カントの批判期の哲学を読み直すという斬新なアプローチをとっており、そうすることによって批判期の思想における矛盾や問題点を浮き彫りにすることに成功したが、本研究グループは、彼のような画期的な研究から多くのことを学ぶことができた。 今年度は特に、『オプス・ポストゥムム』の本邦初訳の刊行をめざし、第十束の中からいわゆる『自己定立論』に関する部分を抽出し、それを訳出し、訳者による解説と注釈を付けて翻訳文を大学の紀要に発表した。
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Research Products
(2 results)