2016 Fiscal Year Research-status Report
親鸞理解の変遷についての総合的研究―江戸時代注釈と聖徳太子信仰の分析を中心として
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16K02169
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
藤井 淳 駒澤大学, 仏教学部, 准教授 (00610726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 剛次 山形大学, 人文学部, 教授 (30143077)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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Keywords | 聖徳太子信仰 / 仏教における真理表現 / 鎌倉仏教 / 親鸞の伝記 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、採用時との兼ね合いもあり、主に研究組織の体制整備、調整や各種申し入れを中心として実施した。 採用時から一月に一度ほど定期的に、本研究の基礎となる、仏教における真理表現についての研究会を京都市内の私立大学や奈良市の東大寺総合文化センターにおいて実施・参加し、3月15日にはドイツからの研究者による研究発表を行った。2017年3月末には、仏教における真理表現に関連して、研究代表者は「道とはなにか-「平常心是道」の源流を尋ねて」という題目の論文を3月に刊行した。論文の刊行は研究代表者が編者になっているため、刊行元の京都大学人文科学研究所において刊行・研究の打ち合わせを行った。2017年2月中旬より3月初めまでドイツに出張し、ミュンヘン大学において、共同で翻訳者となっている日本仏教文献のドイツ語訳の校正を行い、また研究の打ち合わせを行った。2017年3月26日には日仏東洋学会において「近代初期日本および中国における『宗教』という用語の導入について」という題目で発表を行った。 研究分担者の松尾剛次は聖徳太子信仰研究の成果の一部として『中世叡尊教団の全国的展開』(法蔵館)を3月に出版し、次年度5月初旬に実施する福井県における真宗寺院(越前四箇本山)の調査の打ち合わせを行った。次年度6月末から7月初めに武蔵野大学で開催される国際真宗学会のパネル発表のため、大谷大学において連携研究者と打ち合わせを行い、申込を行った。 『真宗史料集成』『真宗全書』に所載される江戸時代刊行の文献や目録について整理を行うための整備をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
10月からの採用となったため、申請時の研究計画・体制を見直すこととなり、若干の計画の遅れが生じたが、研究分担者と早々に打ち合わせを行い、次年度以降の研究体制や発表計画を調えていくこととなった。次年度の5月4日~6日には研究分担者とともに福井県において聖徳太子像の調査を実施する予定であり、6月30日~7月2日には海外から研究者を招聘し、また連携研究者とともに武蔵野大学で開催される国際真宗学会においてパネル発表を行う(研究分担者は個人発表)。『真宗史料集成』をもとに談義本の刊行や現在の所蔵整理も行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
期間外ではあるが昨年夏に研究代表者はミュンヘン大学より招聘を受け、空海の『声字実相義』のドイツ語訳を共同で行った。その際に得たつながりを元に、本研究を国際的な協力を得ながら推進するため、ヨーロッパ・台湾の研究者との交流を行っていく。国際真宗学会においてはパネル発表を行うとともに、研究者との交流を図り、本研究を国際的に実施していく環境整備を行う。5月に行う予定である真宗越前四箇本山調査を踏まえ、真宗における聖徳太子像奉安の様式について、律宗などとの全体像の中で位置づけをはかる。
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Causes of Carryover |
10月に採用となったため、研究計画を早急に見直したが、基金化されているため、無理な出費はせず、次年度以降の執行とした。また年度末の3月に研究を実施したため、実際には次年度使用額は低く抑えられている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画を再考し、次年度以降に執行していく。
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Research Products
(6 results)