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2017 Fiscal Year Research-status Report

演奏家D.チューダーの音楽的時間観念の形成と実践ーフランス前衛芸術論を背景として

Research Project

Project/Area Number 16K02236
Research InstitutionUniversity of Fukui

Principal Investigator

澁谷 政子  福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 教授 (90262253)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords前衛音楽 / デイヴィッド・チューダー / ピエール・ブーレーズ / アントナン・アルトー
Outline of Annual Research Achievements

1940年代~1950年代前半のブーレーズの初期創作期に関する当時の哲学や芸術論との関連に関わる先行研究として、E. Campbell (2005)、P.F. Stacey (1987)、M. Breatnach (1996) を検討し、スヴチンスキー、シャール、アルトー、マラルメ等との接触・親交についての基本的情報を整理した。ブーレーズの知的関心の方向性はある程度これらの研究から跡付けることができるが、それが具体的な作品の音楽的時間の形成にどのように影響を及ぼしたかについての検討が次の課題である。また《第2ピアノ・ソナタ》の具体的な作品分析の先行研究として、M.Hecker (2008)、B. Dobretsberger (2005)を検討し、これを参照しながら、深層のセリー構造だけでなく表層的な音の動きを捉えるための分析に取り組んだ。音価、音高、強度のプロセスをエクセルを利用して視覚的に跡付ける作業を進め、そこから音楽的時間の連続性・非連続性を明らかにすることを目指した。データ化の作業は第1楽章については一定の形を得ているが、現在進めている方法によって、シュールレアリスムやアルトー等と共通する何らかの実践的原理を読み取ることができるか、時間的非連続性に関して客観的に論証できるかという点については、まだ課題を残しており、引き続き検討を続ける。チューダーとケージの音楽的時間に関する言説調査については、ゲッティ研究所図書館で収集した一次資料に関して確認を完了し、ケージの著作に関して作業を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

《第2ピアノ・ソナタ》の音楽的現象がきわめて複雑であり、分析のベースとなるデータ化の方法を数回検討しなおす必要があり、またデータ化の作業自体にもかなりの時間を要したため。

Strategy for Future Research Activity

最終年度の総合的考察に向けて、作品分析は全曲ではなく部分を限定して行うとともに、言説資料の読解・考察を並行してすすめ、効率的に取り組む。

Causes of Carryover

国内外での資料調査を行わなかったため。作品分析の一定の結果を踏まえたうえで資料収集調査を行うのがより効率的であると判断した。平成30年度に調査旅費として使用する予定。

URL: 

Published: 2018-12-17  

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