2018 Fiscal Year Annual Research Report
Using Synchrotron Radiation for Non-Destructive Analysis and a Comparative Study of Zaffer (Jpn: Gosu and West-Asian Blue Glazed)
| Project/Area Number |
16K02320
|
|---|
| Research Institution | Aichi University of the Arts |
|---|
Principal Investigator |
太田 公典 愛知県立芸術大学, 美術学部, 教授 (40264709)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 文子 愛知県立芸術大学, 美術学部, 准教授 (40572152)
梅本 孝征 愛知県立芸術大学, 美術学部, 教授 (50457925)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
| Keywords | 呉須顔料 / 中国青花磁器 / 肥前染付磁器 / シンクロトロン光 / XAFS分析 / 三角座標ダイヤグラム |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度青山学院大学三上次男コレクションの中から西アジア、肥前地域、九谷地域の染付陶片分析を実施。平成29年度は前年度の西アジア陶片、肥前地域陶片との比較のため大原美術館（西アジア）、九州陶磁文化館（肥前地域）の陶片を分析した。
平成30年度は、これまでのデータを当初予定の分析測定結果データ処理方法により数値化したデータを三角座標ダイヤグラムに可視化して比較した。その結果以下のことが明らかになった。
2年間に亘ったシンクロトロン光呉須成分分析は、釉薬に混入した呉須成分を分析したが、データにブレが無く研究に耐えうる非常に精度の高い方法であることが確認された。その精度により、肥前地域の呉須成分からマンガン、鉄、コバルト、ヒ素、鉛の含有量を合わせて観察することで、これまでの呉須研究における各古窯址の性質と符合することが明らかになった。西アジアについては、「コバルト含有陶片」と「コバルト以外の元素によるコバルトブルー発色の陶片」が存在することを、青山学院大学コレクション、大原美術館から確認した。コバルトを含有する陶片のマンガン、鉄、コバルト、ヒ素、鉛の分析はこれまでの研究結果のように鉄が多く、マンガンが少なくヒ素を含んでいたが、コバルトの量、鉄の量に関しては一様では無く幾つかにグルーピングできる。一方コバルト以外の元素によるコバルトブルー発色については、陶片の文様は様式的特徴が見られるが、産地、年代などは不明など様々な課題を含んでいるため、今後の研究としたい。
上記から、シンクロトロン光による分析の方法と肥前陶磁史研究の視点からシンクロトロン光分析の意義を明らかにする内容を論文とした。
|
