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2017 Fiscal Year Research-status Report

一九世紀インドのテキスタイル見本に関する研究 ―「手仕事」をめぐって

Research Project

Project/Area Number 16K02347
Research InstitutionDoshisha Women's College of Liberal Arts

Principal Investigator

平光 睦子  同志社女子大学, 生活科学部, 教授 (70278860)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywordsテキスタイル / 英国 / インド / 見本帳
Outline of Annual Research Achievements

平成29年度の主な研究実績は以下のとおりである。
①実物調査
平成29年8月、英国にて実物調査を実施した。主な訪問先、調査対象は以下のとおりである。ウィットワース・ギャラリー(マンチェスター 英国)Collection of the Textike Manufactures of India(1版)19世紀後半のインドのテキスタイルサンプル数点 / マックルズフィールド美術館(マックルズフィールド 英国)Collection of the Textike Manufactures of India(2版)およびそれを活用したデザイン学校の学生作品サンプル /ウェストミンスター・アーカイブ・センター(ロンドン 英国)19世紀のテキスタイル業者に関する記録文書数点 /国立芸術図書館(ロンドン 英国)19世紀のテキスタイル業者に関する記録文書 /ブライトン大学デザイン・アーカイブ(ブライトン 英国)19世紀のテキスタイル・デザインに関する雑誌等。昨年度の実物調査のなかで主要な研究対象であるテキスタイル見本帳を所蔵する機關や施設があらたにいくつか浮かび上がり、本年度の調査対象となった。とくに、マックルズフィールド美術館では見本帳の活用事例が具体的に展示されており、見本帳の影響力を知ることができた。
②二次資料の収集と通読
主に19世紀英国におけるテキスタイル産業に関する資料を収集、通読した。これまでに、本研究でとりあげたテキスタイル見本帳が1866年と1873年に発刊されたことが明らかになったが、本年度は1860年代70年代以前の英国のテキスタイル産業の動向に関する資料を中心に収集、通読した。1840年代頃からより廉価でより質の低い外国製品が流入し英国国内のテキスタイル産業が衰退していたという状況を知ることで、見本帳制作の意図や時代背景にたいする理解が深まった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

①実物調査
本年度の調査の中でもっとも大きな収穫は、見本帳の活用事例を確認したことであった。実際に地方産地のデザイン学校では見本帳に収録されたテキスタイル・サンプルを模倣しながらデザインが制作されたということは、見本帳の意義に関わる重要な事実である。また、詳細は定かではないが、フォブス・ワトソンの見本帳が制作された時期には他にも様々な見本帳が制作されていた可能性があることがわかった。これらの見本帳については、可能な限り次年度の調査に組み込みたい。
②二次資料の収集と通読
昨年度入手した資料の読解につとめつつ、Journal of the Society of Artsをはじめ、専門誌の記事などを対象に国内でもいくつかの資料を収集した。フォブス・ワトソンら、当時の英国でインドのテキスタイル産業に関わりを持っていた人物たちのなかには専門誌で関連記事を執筆した者もあり、それらの記事はテキスタイル産業周辺の関心事を読み解く貴重な資料と考えられる。あるいは、それらの人物たちの関係性を読み取ることができる記事もある。フォブス・ワトソン以外には、とくに、J・バードウッド、T・ウォードル、A・リバティ関連記事を中心に収集した。

Strategy for Future Research Activity

当初の計画では平成30年度は総まとめに集中する予定であったが、調査過程で見本帳や資料の所蔵が新たにいくつか判明したため、引き続き実物調査も総括作業に並行して実施する。
①実物調査 マンチェスター及びリーズ等英国の地方のテキスタイル産地やスピタルフィールズ等ロンドン市内の織物産地を中心に見本帳の所在を確認し、できるだけ実物調査にあたる。
②文献の読解と精査 昨年度入手した資料の読解と内容の整理を進める。専門誌の記事内容は広範にわたるため、必要な情報を抽出するまでにはかなりの数の記事に目をとおす必要があると考えられるが、粘り強く作業を進めたい。また、英語の概説書なども積極的に活用して、必要な情報を限定していきたい。
③総まとめ 当初は意匠学会大会での発表を考えていたが、諸処の都合で当日参加できないことがわかった。12月に予定されている、ウィリアム・モリス研究会の会合で本研究の成果の一部を発表したい。また、年度後半には成果を論文形式にまとめたい。

Causes of Carryover

(次年度使用額が生じた理由)
次年度使用額が生じた主な理由は、資料複写費、通信費がほとんど未消化だったためである。計画当初に予想していたよりも、各施設・機関の情報公開が進んでおり、手続きさえすればウェブ上である程度の資料が入手できる場合が多かったことが未消化の大きな要因としてあげられる。その一方で、複写や撮影が許可されておらず、現場での閲覧や観察しかできない資料もあった。
(使用計画)
次年度使用額は生じたが、計画の変更はとくに必要ないと判断している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2017

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 英国人リバティの日本視察2017

    • Author(s)
      平光睦子
    • Journal Title

      a+a美学研究

      Volume: 11 Pages: 210-217

URL: 

Published: 2018-12-17  

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