2018 Fiscal Year Annual Research Report
Dickens and the Representation of Child: Analysis of Sentimentalism in Dickens
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16K02440
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中村 隆 山形大学, 人文社会科学部, 教授 (00207888)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ディケンズ / tear係数 / child係数 / tear-child係数 / 統計学的手法 / 感傷主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
ディケンズの16の長編小説に対し、tear係数、child係数、tear-child係数の分布を統計的な手法で分析した。 tear係数とは、1作品の語数に占めるtearとtearsの割合を示すが、わかりやすい数値となるように、基本数値に100,000を掛けている。child係数は、1作品の語数に占めるchildとchildrenの割合を示すが、基本数値に100,000を掛けている。tear-child係数は、tear係数とchild係数を掛け合わせ、その√値(平方根)である。 tear-child係数の上位3つの作品は、Oliver Twist、Old Curiosity Shop、Dombey and Sonであり、これら3つの小説は、一般に感傷的であるとされてきた作品であり、批評の評価は、tear-child係数によって、数値的に証明されえる。 ディケンズの16の長編小説に対し、tear係数、child係数、tear-child係数の分布を統計的な手法で分析した総体的な概要は以下の通りである。(1)tear-child係数の上位3つの作品は、Oliver Twist、Old Curiosity Shop、Dombey and Sonである。(2)これら3つの小説は、従来の批評によって、一般に感傷的であると批判されてきた作品であり、印象批評的なこれまでの評価は、tear-child係数という客観的な数値によっても証明された。(3)Little Dorrit以後のディケンズの後期の陰気な作品は、総じてtear-child係数が著しく低い。
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