2021 Fiscal Year Annual Research Report
Research on Paul Claudel's works in the French cultural diplomacy
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16K02547
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
根岸 徹郎 専修大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (90349176)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フランス文学 / フランス演劇 / 日仏交流 / フランス文化外交 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度も前年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延のために、主としてフランスでの実施(外務省外交資料館、国立図書館等)を予定していた資料収集等の作業が海外で行えず、国内とインターネットによる実施に限定されたことから、当初期待していた新たな資料の調査については、実際のところ十分な成果を上げられたとはいえない状況である。 その一方で、収集、調査した資料の確認と分析に焦点を当てるとともに、国内、とくに関西での外交官クローデルの活動に関しては調査を進めることができた。 最終年度の具体的な成果としては、先年度に開催(本科研研究は共催)したシンポジウム(「クローデルとその時代」)の発表を論文として執筆し、現在は刊行の準備中である。この論考では、本研究課題のテーマに沿って、クローデルの執筆した戯曲の書き換えに注目し、そこに投影された日本的な視点を明らかにしている点で、 研究期間全体を通して、当初の目的である新たな資料をフランスを中心として調査するという点では、新型コロナウイルス感染症の状況から十分な進展を見ることが出来なかった点は残念であり、海外の研究者との意見交換も含めたインターネットの活用を当初から織り込むべきであった点は不十分だったといえる。 その一方で、とくに平成30年度に行った神奈川近代文学展でのクローデル展および京都で本科研とアンスティチュ・フランセ関西との共催で行った一般公開のシンポジウムは、本科研の研究成果を一般に広く公開する貴重な機会であり、その成果は大きかったと考えている。また、対象が主として研究者であったものの、令和2年度3月に開催したシンポジウム(「クローデルとその時代」)は、対象を文学から外交、宗教まで広くカバーすることで、本研究課題の成果として大きな位置を占めるものであり、現在、成果として論集の刊行を準備中である。
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Research Products
(2 results)