2019 Fiscal Year Annual Research Report
Perception of Low-Rising Accent in German Intonation
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16K02666
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
成田 克史 名古屋大学, 人文学研究科, 名誉教授 (40128202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Rude Markus 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (90282342)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ドイツ語 / イントネーション / 低アクセント |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、2019年度(最終年度)に発行した『ドイツ文学研究』第51号所収の「ドイツ語イントネーションにおける低音調について」(123~131ページ)の中で、2018年2月に21名のドイツ語母語話者を対象に実施したドイツ語イントネーションにおける低音調の低さの自然度に関する聴取試験の結果を公表した。この試験は5つのドイツ語文の低音調部分のピッチを5段階に調整した音声を順不同に並べた刺激列を3種類作成し、これをドイツ語母語話者に続けて聞かせて個々の音声におけるイントネーションの自然度を判定させたものである。その結果、全体を通して明確な傾向は見られなかったが、刺激列ごとに集計すると、3番目の刺激列では原音声の自然度が最も高く、ピッチを調整した音声の自然度は下がり、ピッチを最も浅くまたは最も深くした音声の自然度が最も低くなるという結果が得られた。これは、調査協力者たちがイントネーションにどのような違いがあるか知らされていなかったために、始めのうちはさまざまな基準で判定を行っていたが、1番目と2番目の刺激列を聞くうちに、同一文のイントネーションのどこに違いがあるかをつかみ、3番目ではその違いに注目して判定を行った結果であると推測される。しかしながら、調査結果に見られた自然度の差は僅かであり、本研究はドイツ語の低音調に適切な低さがある可能性を示唆したに過ぎない。 一方、研究分担者は、本研究を含むドイツ語イントネーションに関する考察の結果をドイツ語教材に生かす作業に取り組み、独自の Prosodic Writing(文字の大きさ、線の太さ、上下の位置などを変化させることによる韻律表記法)によって100のドイツ語文の韻律表記を行った。その成果は2021年度中には公表される見込みである。
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Research Products
(3 results)