2017 Fiscal Year Research-status Report
誤用の事例研究に基づく中国語教育文法の再構築とその有効性の多角的検証
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16K02861
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
張 軼欧 同志社大学, グローバル地域文化学部, 准教授 (30559373)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 教育文法 / 学習要点 / 動量詞 / 学習教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.誤用例を収集する作業は前年度と同じく引き続き行って、データ化を進めた。今までのデータと比べた結果から、学習者にとっては、類義語の学習及び量詞の学習に関する問題が新たにわかった。その問題を起こす要因の一つは、参考書の説明が曖昧で、厳密ではないことがわかった。この問題を中心に、具体的に、動量詞“tang”について研究し、これまでの研究成果に基づいて、これまでとは異なる見解を見い出した。また、教育現場における“tang”の扱い方に関して、いくつかの提案を行った。得られた研究成果を「動量詞tang的語義特徴分析与教学『中国語教育』第16号,(p.111~p.124)(2018)」で発表した。 2.また、誤用例を収集すると同時に、現在教材や教育現場で用いられている学校文法は、文法の捉え方、学習要点の設定の仕方、文法学習の必要性など重要な観点においてきわめて多様であり、教師間・教材間に大きな認識の差が存在していることがわかり、よりよい授業効果を出すには、このような問題を無視することができず、教育現場に存在している多様な観点、及び学校文法が抱える課題などを踏まえた上に、要点式学校文法についてほかの研究者と共同研究を行った。得られた研究成果を「要点式学校文法の再検討『中国語教育』第16号,(p.47-p.67)(2018」で発表した。 3.以上の研究成果に基づき、新しい学習教材(『ステップバイステップ 歩歩高初級中国語』、朝日出版(2018)、『入門中国語西遊記へのオマージュ 乾版』朝日出(2018))を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年の研究は主に今まで収集したデータに基づき、そのデータからいろいろな情報を抽出し、またそのデータを活用することによって、いろいろな問題を発見し、研究を進めた。データの量及びその有効性が今年の研究がうまく進む主な要因だと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は基本的に計画通りに進める予定である。今年度の研究と同じように、教育文法の研究を中心に行うことである。 今後の研究は主に二つの部分に分けている。一つ目は、具体的に事例研究を継続すること。いままでの事例研究は言葉の用法を中心に行ってたが、今後の研究は構文の違い、たとえば反復疑問文とma疑問文の違い、ba構文と受け身文の語用論的な違いなどの問題も行う予定である。二つ目、各具体的な事例の研究成果に基づき、体系的に初級段階の教育文法を再構築ことを目指すことである。 最終的に、以上のような研究成果は、新たな学習教材を作成ことによって反映する予定である。
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Research Products
(4 results)