2018 Fiscal Year Research-status Report
英語の発表語彙習得における教材によるインプットの影響の検証と教材開発
Project/Area Number |
16K02876
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
久保田 章 筑波大学, 人文社会系, 教授 (30205132)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 和成 高崎健康福祉大学, 人間発達学部, 准教授 (30642277)
奥山 慶洋 白鴎大学, 教育学部, 准教授 (90369934)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 教科書 / インプット / アウトプット / 第二言語習得 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実施計画の修正に基づき、過去に収集した英作文データの分析を行うにあたり、研究代表者は、高校の英語教科書のうち、旧課程の英語Ⅰの教科書計3冊(Crown, Prominence, Pro-vision)について本文と課題部分のコンピュータ・データ化を実施した。また研究分担者2名は、同様に旧課程の中学校英語教科書をそれぞれ1社ずつ、1年から3年用の計3冊(One World, Columbus)の教科書の本文と課題部分のデータ化を行った。 これらの作業は、昨年度までに実施した作業と同じく、研究の基礎となる教科書コーパスを構築する一環であり、各教科書の英語データの分布の特徴を把握し、教科書間のデータの異同を質と量の両方の観点から検証するために必要なものである。 蓄積した教科書コーパスのデータの分析についても従来の方法を踏襲し、教科書の英語データの中のどのような要素が、学習者の英語の習得に直接影響を与える可能性があるかという観点で実施した。具体的な分析については、上に挙げた教科書の内、中学校の英語教科書、One World, Columbusの2種類について、前置詞about、at、for、in、on、to、withの出現頻度と出現密度を中心に分布状況を比較した。一昨年度の分析で得られた結果と同様、教科書によって、前置詞の分布状況に有意な差異が観察できた。 以上の成果を背景に、研究代表者は、外国語教育メディア学会関東支部教材教授法研究研修部会において、「中学校英語教科書における語彙のプロファイルについて」というテーマで研究発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者は一昨年より体調が整わず、予定していた英国オックスフォード大学への出張ができなかった。そのため、その後の研究状況について、先方の研究者との意見交換を行い、成果の検討と評価を受けることができなかった。また研究分担者のうち1名は全国規模の学会の事務局長職に就き、もう1名は新しい職場に異動したこともあり、予定通り研究を進めることができなかった。 さらに、作文の調査協力を依頼していた中学校、高校との日程調整が難しくなり、実際の調査ができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
近隣の中学校や高校において、ある程度の期間に渡って英作文データの収集依頼をすることがなかなか難しい状況となったため、31年度は、過去の英作文関連の調査において収集した中学生と高校生の英作文データを学校ごとに分析し、動詞、前置詞等の品詞の使用状況、名詞と形容詞の共起関係、文構造の使用状況などについて、習得状況の異同の有無を検証する計画である。さらに習得状況の異同と、生徒が事前に学習した教科書の英語データとの関係について、頻度や共起関係などの観点から考察し、研究成果をまとめる予定である。
|
Causes of Carryover |
研究代表者は一昨年より体調が整わなかったこともあり、予定していた英国オックスフォード大学への出張ができなかった。そのため、その後の研究状況について、先方の研究者との意見交換を行い、成果の検討と評価を受けることができなかった。また研究分担者のうち1名は全国規模の学会の事務局長職に就き、もう1名は新しい職場に異動したこともあり、打ち合わせを含め、予定通り研究を実施できなかった。 さらに、作文の調査協力を依頼していた中学校、高校との日程調整が難しくなり、実際の調査ができなかったことから、英作文データの変換や整形に関する人件費の使用ができなかった。 未使用額は、次年度に行うオックスフォード大学への出張と、過去に収集した生徒の英作文のコンピュータ・データ化のための人件費として主に用いる計画である。
|