2017 Fiscal Year Research-status Report
学習者の英語熟達度と母語の事態把握の影響に関する研究:認知言語学の観点から
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16K02947
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
川瀬 義清 西南学院大学, 文学部, 教授 (20108616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長 加奈子 福岡大学, 人文学部, 准教授 (70369833)
大橋 浩 九州大学, 基幹教育院, 教授 (40169040)
川畠 嘉美 石川工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (70581172)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 事態把握 / 日英比較 / 日本人英語学習者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,川瀬科研(平成25年度~27年度)で明らかになった英語と日本語の事態把握の違いに基づき,それらの違いが学習者の英語にどのような影響を与えるかについて,英語熟達度と母語の事態把握の影響との関係に焦点をあて明らかにしようとするものである。 平成29年度は,研究実施計画に基づき,(1) 調査資材の改良,(2)学習者の英語熟達度判定テスト, (3)本調査によるデータ収集を行った。平成28年度に行ったパイロット・スタディの結果,調査資材に日本の社会慣習の影響が少なからず見られた。日本語母語話者との比較のために,英語母語話者のデータを収集するには不適切な部分があったため,本調査に向けて社会・文化的要素を出来るだけ排除した4コマ漫画を用いた調査資材を新たに開発した。 改良した調査資材を用いて,日本語を母語とする英語学習者のデータ収集を行った。データ収集にあたっては,まず学習者の英語力を把握するため,標準化されたテストを実施した。ライティングのタスクでは,学習者に辞書は使用させずに,制限時間を課してライティング活動を行った。収集したデータはデータベース化を行い,学習者の母語である日本語の事態把握がどのように表出しているかについて,認知言語学の枠組みで分析を行った。 平成29年度の研究成果は,論文および研究発表で公表した。また,平成29年度に行われた教員免許状更新講習(於:西南学院大学)において,日本語と英語の事態把握の違いについてワークシートを用いて様々な観点から演習を行い,日本人英語学習者がライティングにおいて間違いやすいポイントの指導を行い,現場の教員のフィードバックを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要に記載したように,研究実施計画に基づき,調査資材の改良,学習者の英語熟達度判定テスト,本調査によるデータ収集を行ったが,調査資材の改良に手間取ったため,実施計画のうち,英語母語話者のライティングのデータを収集,コーパスの構築については進んでおらず,やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度にあたる平成30 年度は,調査データを増やすとともに,コーパスを構築し,学習者の英語熟達度と母語の事態把握の影響について,詳細な分析を行う。さらに分析結果に基づき,日本の学校教育の現場において,学習者に教えることが可能な事項について洗い出しを行い,教授可能な事項について,教授資料および教材を作成する。作成した教授資料・教材をもとに,高等専門学校および大学の学生に対して指導を行い,教育効果を検証する予定である。
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Causes of Carryover |
繰越額は少額であり、年度末に無理して使用せず、次年度繰越とした。
繰越額は、2018年度にそれぞれの費目で使用する予定である。
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Research Products
(4 results)