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2016 Fiscal Year Research-status Report

外国語コミュニケーションに表れるチャンクと文法、チャンク学習有効性の検討

Research Project

Project/Area Number 16K02950
Research InstitutionUbe National College of Technology

Principal Investigator

道本 祐子  宇部工業高等専門学校, 一般科, 准教授 (80624600)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 田辺 誠  宇部工業高等専門学校, 制御情報工学科, 教授 (00353318)
Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords処理可能性理論 / チャンク / 文法
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は,1点目に外国語学習者の外国語のチャンク処理過程を明らかにすることであり、また2点目にはチャンク学習の効果を検討することである。これらチャンク処理過程と外国語学習過程は,第2言語習得理論「処理可能性理論」(Pienemann, 2011)を用いて、学習者の外国語産出に関連する文法と外的要因(指導,インプット)の関係から検討する。
これまでの本研究代表者の研究からは「処理可能性理論」を用いて日本人EFL学習者の英語の発達を検証する場合に、いくつかの課題と実証の手法的問題点があることが明らかになった。そこで、初年度はそれらの問題が日本人EFL学習者に特有のものかを検討することため、また日本人EFL学習者を対象とする場合には、それらの問題を回避して実証研究を行う必要があるために、関連する先行研究と他の第二言語習得理論研究などの文献整理とデータのメタ分析を行った。そして、翌年度の実証研究(実験)に向けた必要な理論の証明と実験計画の作成を行った。
また実証研究に参加する外国語学習者(EFL学習者,英語・日本語バイリンガル学習者)を対象に実験協力を募り、参加予定者の外国語学習の実態把握に向けたアンケート調査を実施した。その一部であるバイリンガル(マルチリンガル)学習者を対象とした調査結果については、学習へ取り組みやその要因の観点から学会発表を行った。
さらに学習者のチャンク「理解」の側面からも検討することが必要であると考え、複数のチャンク表示機能を持つ読解システムを構築し、学習者が英文テキストにおいてどのようにチャンクをとらえているのか、読み進め,戻り読みのタイミングなど、チャンク表示の軌跡やチャンクごとの滞在時間を記録し,学習者の読解過程で戻り読みがどのような箇所,タイミングで発生するのか,その過程や読解時間の変化などの学習履歴を分析するためのシステムを構築した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

現在までに、関連研究の整理と2017年度に行う予定の実験計画の作成を行い、一部実験資材を用いたパイロット・スタディを実施した。しかしパイロット・スタディの一部が完了しておらず、まだ修正が必要な部分もあるためやや遅れている。
チャンク「産出」に関連する先行研究からは、スピーキングとライティングによる言語(チャンクを含む)産出の異なりが明らかにされて、学習者がスピーキングで産出できな現在までに、関連研究の整理と本年度行う実証(実験)計画の作成を行った。関連する先行研究からは、スピーキングとライティングによる言語(チャンクを含む)「産出」の異なりが明らかにされており、学習者がスピーキングで産出できない特定の項目を,ライティングのタスクにおいては産出する例も複数報告されている。よって、本研究では、ライティングとスピーキングのタスクを用いて実証研究を行うこと予定し、それらタスクと実験計画の作成を行った。一部のタスクについては、小規模のパイロット・スタディも実施し、タスクの有効性の検討を行っているが、スピーキングの実験で用いるオンラインのタスクについては、システムの構築が遅れており、本年度までにパイロット・スタディが完了していない。したがって、研究全体に遅れが生じている。
一方、学習者のチャンク「理解」の側面からは、構築したCALLシステムを用いたリーディングの実験に参加した学習者の結果(学習履歴とアンケート)の分析から、学習者のチャンク処理において個々の単語の「意味」と「難易度」、テキスト読解過程におけるなんらかのストレスが学習者のチャンク処理に影響を与えていることが明らかになった。これらの要因が産出にどのように影響を及ぼしているのか、さらに詳細な分析が必要であると考えている。

Strategy for Future Research Activity

当初の予定通り、本年度は実証研究(実験)とそのデータ分析を中心に行う。しかし本研究開始時点の予定では、初年度までにパイロット・スタディを完了する予定であったが、現時点において、スピーキング・タスクで用いるシステムの構築が完了しておらず、研究に遅れが生じている。よって、本年度はまず遅れているスピーキング・タスクのシステムの完成とそのパイロット・スタディを行う。また各タスク間の相互の影響(刺激)を抑制すること、実験タスクによって十分なデータ量が確保することなどを慎重に考慮して、さらに実験計画の調整行ってから本実験を実施する必要がある。よって、さらなるパイロット・スタディとタスクの修正は必須であると考えている。
実験参加者の選定に関しては、分析で用いる予定の「含意尺度」の点から、これまでの本研究代表者の研究においても産出タスクで引き出す個々のターゲット項目と実験参加者間の「難易度の差」の確保が課題となってきた。このことから広い外国語運用能力を有する学習者に実証研究(実験)に参加してもらう必要がある。関連して、初年度に実施した実験参加予定者を対象とした外国語学習アンケート調査の結果は、目標言語(外国語)の違いより、外国語学習の取り組みに異なりがあることが示しており、この異なりが個々の外国語の産出、学習効果に影響を及ぼすことも考え得る。よってこれらから、実験参加者のターゲットを絞り込んだ実験を行いたい。
さらにデータの処理に関する懸念事項も残されており、引き続き先行研究の整理は必要である。また、前年度までに構築した読解用CALLシステムからの分析結果も合わせて、実証研究と並行して、学習者のチャンク処理を種々の点から検討していきたい。

Causes of Carryover

実証研究において使用する予定のタスクの内、一部のオンライン・タスク(システム)の作成が完了しておらず、システムの構築を担当する研究分担者の田辺誠氏によって、必要な機材と関連書籍等の購入、人件費の支出が行われなかったため、2016年度の分担金に残額が生じた。またこの点については、本代表研究者が本研究において収集するスピーキング・データの処理と分析に関連して、先行研究の整理が完了していないことも原因の一つである。
よって、2016年度の田辺誠氏の分担金は2017年度に持ちこし、2017年度の田辺氏分担金については、本研究全体の研究計画の進捗を確認した後に再検討することとした。

Expenditure Plan for Carryover Budget

2017年度には遅れての生じているシステムの構築を引き続き行う。そのため、システム構築に伴う必要な資材の購入、調査のための出張費および補助学生の人件費を2017年度に計上して、研究を進める予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2016

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 外国語学習者の目標言語に対する意識の異なり―アルゼンチンにおける外国語学習調査2016

    • Author(s)
      道本祐子
    • Organizer
      国際開発学会第27回全国大会
    • Place of Presentation
      広島大学
    • Year and Date
      2016-11-27 – 2016-11-27
  • [Presentation] 英語コミュニケーション能力の養成に向けたチャンク表示を用いたCALLシステムの構築2016

    • Author(s)
      田辺誠、道本祐子、浅原京子、中村嘉雄
    • Organizer
      平成28年度全国高専フォーラム
    • Place of Presentation
      岡山大学
    • Year and Date
      2016-08-26 – 2016-08-26
  • [Presentation] チャンク表示を用いたCALLシステムの構築およびTOEIC読解学習履歴の分析2016

    • Author(s)
      田辺誠、道本祐子
    • Organizer
      外国語教育メディア学会(LET)第56回全国研究大会
    • Place of Presentation
      早稲田大学
    • Year and Date
      2016-08-08 – 2016-08-08

URL: 

Published: 2018-01-16  

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