2018 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive studay into the potential for analysis and use of traditional culture in current school education
Project/Area Number |
16K03243
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
高木 史人 関西福祉科学大学, 教育学部, 教授 (70329845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 敬一 静岡大学, 教育学部, 教授 (10252157)
立石 展大 高千穂大学, 人間科学部, 教授 (20568505)
蔦尾 和宏 専修大学, 文学部, 教授 (50510765)
伊藤 利明 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (10191884)
生野 金三 関西福祉科学大学, 教育学部, 教授 (10187510)
浮田 真弓 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (40309018) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 伝統文化 / 昔話 / 民俗 / 教科書 / 主体的・対話的で深い学び / 総合的な学習 / 幼小連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は研究代表者・研究分担者それぞれに各研究を個別に深めていくことになった。研究代表者の高木は、日本口承文芸学会会長として学会運営に関わりながら、当該研究を当学会員に向けて発信するほか、日本国語教育学会などにも発信する試みを行い、また、テレビ番組出演などでも昔話が時代に即して変化していることを紹介した。 論文では、雑誌『子どもの文化』に「『赤い鳥』童話と昔話伝承との共=競演―「それから」「どのように」なったのか―」を発表した。そこでは、昔話はその口承というメディアが音の発された後に残らない性質から「それから~、それから~」と一直線に語り進めることを紹介した。それに対して文字メディアによって表現される『赤い鳥』等の童話は、何度も読み返すことができる性質によって「どのように」「なぜ」という叙述が発達していると説いた。その上で、この両者が近代の社会状況の変化を受けて、20世紀以後、口承の昔話に「どのように」という叙述が入り込んできた一方、書記の童話に口承の特長をとりこんだ「それから~」の叙述が入り込む、いわば昔話と童話との交錯がみられることを説いた。すなわち、「我が国の伝統文化」の一類とされる「昔話」にもそれぞれの時代の刻印が記されていることを、教育において活用するときには自覚的にならなければならないと見た。 また、2018年12月14日に行われた第75回日本口承文芸学会研究例会でのシンポジウムにおいてパネルとして行った「母と子との民話―関敬吾の原郷から―」では、関敬吾が昔話は変化し続けるのは自然なことであり、特に近代では目に見る昔話が盛んになってきたという発言を紹介しつつ、柳田國男が設定した問題意識から動いていく昔話の現在の状況を論じた。 なお、この議論は2019年8月18日の日本国語教育学会全国大会幼保部会での講演・語りの公演においても引き続き論じられる予定である。
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Research Products
(18 results)