2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study for Harmonization of Labour Contract Law in Asia
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16K03357
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
土田 道夫 同志社大学, 法学部, 教授 (40183868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高杉 直 同志社大学, 法学部, 教授 (60243747)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 国際労働法 / アジア / 労働契約 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究(アジア地域の労働契約法の調和に向けた研究)は、日本企業と係わりの深い、東アジアおよび東南アジアの諸国を対象に、第1に、各国の労働契約法の内容の比較検討を行うことにより、各国法の異同点を明らかにすると共に、日本の労働契約法の特徴を明らかにすること(比較労働契約法)、第2に、各国の労働契約法の相違から生ずる国際私法・国際民事手続法上の諸問題について、アジア地域で受け入れ可能な法規制の在り方を検討すること(国際労働契約法)、第3に、アジア地域における将来の労働契約法の調和に向けた立法論的な提言を行うこと(統一労働契約法)を目的としていた。 研究を遂行する方法としては、第1に、アジアを含む諸国で国際的な事業活動を行っている企業関係者からのヒアリングを行い、実務上の論点整理を行うこと、第2に、アジア諸国の専門家からの情報提供を得て、各国の労働契約実務と法状況の実際を理解すること、第3に、アジア諸国の研究者との共同研究を通じて、アジア地域で受け入れ可能な統一労働契約法の策定を行うことを予定していた。 研究を遂行した結果、アジアを含む諸国で国際的な事業活動を行っている企業関係者からのヒアリングに基づき、実務上の論点整理を行うことができた。それを基礎として、労働契約法の相違から生ずる国際私法・国際民事手続法上の諸問題について、アジア地域で受け入れ可能な法規制の在り方についても検討を行うことができた。しかし、研究を進めた結果、現状においては、アジア地域の諸国間での労働契約法の相違は小さなものではなく、アジア地域で受け入れ可能な統一労働契約法の策定が現時点では困難であることが判明した。従って、現状ではアジア地域における国際労働契約に関する諸問題に対しては、国際私法・国際民事手続法による処理が現実的であり、今後、この処理方法についての検討を一層進めることが必要である。
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Research Products
(4 results)