2018 Fiscal Year Annual Research Report
on the criminal reliability in large-scale accident cases
Project/Area Number |
16K03362
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
内海 朋子 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (10365041)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 佳世子 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 教授 (10267479)
佐川 友佳子 関西大学, 法務研究科, 教授 (10555353)
|
Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2019-03-31
|
Keywords | 過失犯 / 過失共同正犯 / 監督過失 / 過失競合 / 法人処罰 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代的な犯罪現象においては、加害者・被害者が複数であることが、その顕著な特徴である。特に、大規模事故にみられる一つの大きな特徴として、組織体に所属する複数の者の過失的な行為が原因となっていることが多いという点が挙げられる。そのような場合の処罰の仕方としては、従来、各関与者の過失の競合として扱われてきたが、本研究では、過失競合以外の理論構成の可能性を検討した。特に、共犯規定を適用する過失共同正犯構成、及び組織体としての刑事責任を問う、法人処罰構成につき、これらの問題について詳しい日本・ドイツ・台湾の教授に講演や学会での報告を依頼し、それらの理論構成の持つ長所と課題の双方について研究を深めた。 現実に起こった、多数人が結果発生に関与する事案としては、明石歩道橋事故事件(平成22.5.31最高裁決定)、JR福知山線転覆事故(平成25.9.27神戸地判、平成27.3.27大阪高判)、患者取り違え事件(平成19.3.26最高裁決定)など枚挙にいとまがない。特に大規模事故に起因する大規模損害については、諸外国でも発生しており、異なる法分野・異なる国においても高い関心が寄せられている。 そこで、諸外国の理論状況について、比較法的な研究を行うべく、昨年度は、過失共同正犯について優れた業績を上げている、ヨアヒム・レンツィコフスキー教授(ハレ大学・ドイツ)、ドイツ学説の影響を受けて、過失共同正犯否定説が通説である台湾において、数少ない肯定説支持者である許恒達教授、過失共同正犯論に強い関心を寄せている、ルイス・グレコ教授(アウスブルグ大学・ドイツ)を招聘し、ミニシンポジウムを開催し、最終年度においては、その内容の公開作業を進めた。また、最終年度においては、日本刑法学会ワークショップにおいてこの問題を検討し、大韓医療法学会(ソウル高等検察庁)において、医療事故に関連して報告を行った。
|
Research Products
(12 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 「日本の企業犯罪について」2019
Author(s)
佐川友佳子
Organizer
The 5th Enterprise Innovation and Management Law Conference -Business Admonistration Theory and Practice-, 中国文化大学(台湾)
Int'l Joint Research / Invited
-
-
-
-