• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2016 Fiscal Year Research-status Report

少額紛争処理における民事司法及び裁判外紛争処理の役割

Research Project

Project/Area Number 16K03388
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

垣内 秀介  東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (10282534)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords少額手続 / 簡易手続 / 裁判外紛争処理 / ADR
Outline of Annual Research Achievements

各国法および日本法の文献の調査は、いずれも研究期間全体を通じて並行して行うこととなるが、平成28年度においては、基礎となる各国法の図書・文献・資料の収集・整理を進めつつ、比較法研究に関しては、手始めとして、英国、スペイン、ベルギー、イスラエル、ガーナ、アメリカ合衆国、カナダ、ブラジルの各国における少額手続ないし簡易手続に関する法整備の状況および運用状況についての比較検討を試みるとともに、各国法比較のための基本的な視座の抽出に努めた。その成果の一端については、オランダ・ロッテルダム大学のクラーマー教授と共著の英語論文において、公表することができた。さらに、ドイツ法に関しては、少額事件処理の重要な一手段であるADRの活用状況について、2013年のEU消費者ADR指令への対応等も含めて検討を行い、その一端を公表することができたほか、2017年3月には、ドイツ・フランクフルト大学のマウルチュ教授と意見交換を行い、紛争処理における司法の役割に関するドイツ、英国、アメリカ合衆国における議論状況についての理解を深めることができた。
また、日本法に関しては、少額訴訟をめぐる従来の議論のほか、法の支配及び裁判を受ける権利をめぐる憲法学上の議論、民事訴訟制度の目的に関する民事訴訟法学上の議論の検討を行い、問題点の析出・整理を進めたほか、ADRの利用状況に関するフォローに努めた。さらに、各論的な検討として、消費者裁判手続特例法上の和解的処理のあり方に関して、若干の成果を公表することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成28年度の研究計画として予定していた事項については、ほぼ予定通り着手し、研究実績の概要において述べたように、その一部については、想定よりも若干早い形で成果を公表することができている。ただし、ドイツ民訴法495a条に定める簡易手続をめぐる議論状況・運用状況など、当初予定と比較して検討がやや遅れている事項も存在する。
また、当初予定していたドイツ等の現地調査については、日程の調整がつかず、実施することができなかったが、来日したドイツの研究者との意見交換を通じて、その一部については補完することができている。
以上の通り、当初予定との比較において、一部早まった部分と、若干遅れている部分とが混在しており、これらを総合すれば、概ね順調に進展している者と評価できる。

Strategy for Future Research Activity

平成28年度において実施することができなかった現地調査を実施することができるよう、日程調整に努めることとしたい。
また、内容面では、平成28年度において必ずしも十分な検討に及ぶことができなかったドイツ民訴法495a条に定める簡易手続をめぐる議論状況・運用状況などについての検討を急ぐとともに、比較法の観点から重要な意義をもつアメリカ合衆国の状況についての検討を進め、それぞれの成果をフィードバックし合うことにより、理論的視座の深化につなげるよう努めることとしたい。

Causes of Carryover

購入を予定していた洋書の刊行が一部遅延し、その購入費に若干の減少が生じたこと、また、当初予定していた欧州における現地調査を実施することができなかったため、旅費が予定よりも少額となったことが、主要な理由である。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度(平成29年度)においては、当初の計画通りに研究を進め、それに要する物品費等を支出するほか、平成28年度に実施することができなかった欧州または米国における現地調査を実施すべく、日程調整に努めることとしたい。

  • Research Products

    (4 results)

All 2017 2016

All Journal Article (4 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] ADR法10年――その成果と課題2017

    • Author(s)
      山本和彦、青木一郎、垣内秀介、高畑敬信、藤田正人、藤原誠、渡部晃
    • Journal Title

      NBL

      Volume: 1092 Pages: 4-43

  • [Journal Article] 特定調停手続において継続的金銭消費貸借の当事者間に成立した調停の有効性と解釈2016

    • Author(s)
      垣内秀介
    • Journal Title

      ジュリスト

      Volume: 1492 Pages: 135-136頁

  • [Journal Article] Austerity in Civil Procedure and the Role of Simplified Procedures2016

    • Author(s)
      Xandra Kramer & Shusuke Kakiuchi
    • Journal Title

      Erasmus Law Review

      Volume: 2015-4 Pages: pp. 139-146

    • DOI

      10.5553/ELR.000057

    • Open Access / Int'l Joint Research
  • [Journal Article] 共通義務確認訴訟及び簡易確定手続における和解2016

    • Author(s)
      垣内秀介
    • Journal Title

      法の支配

      Volume: 182 Pages: 77-86頁

URL: 

Published: 2018-01-16  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi