2016 Fiscal Year Research-status Report
ネオリベラル・ポピュリズムの時代の自由民主党とゴーリスト政党との比較
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16K03469
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大嶽 秀夫 京都大学, 法学研究科, 名誉教授 (40083563)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ネオリベラリズム / ゴーリスト政党 / ポピュリズム / 自由民主党 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度においては、徹底した資料の探索を行った。自民党について、東京の党本部等を中心として資料を探索するとともに、東京で自民党国会議員に対するインタビューを行った。さらに、国会図書館の議員閲覧室にある政治家の著作を閲覧した。また、国会図書館の新聞切り抜きの資料のコピーを行った。また、ハワイ大学のジョージ・アキタ名誉教授などからは、戦前日本の朝鮮統治について教えを請い、関連資料を入手した。これは自民党の「侵略認識」を問うためのものである。ゴーリストについては、オンライン書店などを通じて政治家による回想録、ジャーナリストによる書籍、研究書などを収集した。これらの資料の探索・収集をもとに、書籍『日本とフランス 「官僚国家」の戦後史』、論文「戦後日本が背負った負の遺産 大日本帝国、植民地、戦争」などを発表した。
このうち、前掲書籍は、二つの国家の軌跡から見える民主制のゆくえを検討するものである。すなわち、日本とフランスは先進国の中でも、左右のイデオロギー対立が極めて長く続いたという共通性を持つ。また共に強固な「官僚国家」であり、エリート主導によって経済成長を達成した点も同じである。そこで、両国の政治過程とイデオロギー対立の変遷をパラレルに追いながら、グローバリズムの隆盛と左派の没落、エリート主義と大衆主義の相克といった戦後の政治潮流を考察したもので、二つの「官僚国家」の70年の軌跡から民主制の未来を見据える試みとしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画に記載した資料の収集やインタビューを順調に行うことができた結果、平成30年度に予定していた学術成果発表のための論文執筆を速やかに進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度には、改めて日仏政治の研究を行う。この研究において、28年度において収集した書籍、新聞切り抜き、インタビュー記録を活用することは言うまでもない。テープ起こしは大学院のアルバイトに依拠する。資料のコピーなども同様である。平成30年度は、これまでの研究成果を学術誌などにおいて発表すべく、論文執筆を行う。研究成果の一部を『レヴァイアサン』など学会誌ばかりでなく、これまで何度も寄稿してきた『アステイオン』『中央公論』など、さらには新聞などのマスメディアを通じて発信したい。
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Causes of Carryover |
前倒し申請/支払い請求した英文チェックのため、必要な資料の追加購入を計上していたが、図書館・古書店などの利用により一部不要となったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
資料収集、成果発表のための旅費に充当する。
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Research Products
(3 results)