2018 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative Analyses of the Liberal Democratic Party and the Gaullist Party in the Age of Neoliberal Populism
Project/Area Number |
16K03469
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大嶽 秀夫 京都大学, 法学研究科, 名誉教授 (40083563)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 自由民主党 / ゴーリスト政党 / フェミニズム / ニューレフト / ヴィシー政権 / 大日本帝国 / ポピュリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度には、野党再編の渦中にいた各政党議員を中心にインタビューを行った。そしてこれまでに実施した文献調査と上記のインタビュー調査結果を交えて、野党再編についてのアクターの動機、さまざまな決断の過程、その結果と含意について原稿をまとめた。研究期間全体を通じた研究実績は下記のとおりである。成果の出版については現在交渉中である。 (1)第二次世界大戦後の経済政策と防衛政策の日仏比較:日本とフランスとは他の先進諸国と較べて、特異なほどにイデオロギー対立が厳しかったが、1960年代にそれがほぼ解消した。その後、いずれの国もテクノクラートにとって高度成長がもたらされた。また成長の歪みが顕著になると、両国とも、環境改善のための機関(環境庁)を作り対応した。オイル・ショックによる急激なインフレも、経済官庁による巧みな対応で、それを乗り切った。防衛政策について言えば、アメリカから一定の距離を保つ、いわば「中立政策」をとったことが注目される。 (2)日仏の現代フェミニズム政治史:フランスのフェミニズムは、フランス革命の熱気の中で、生まれた。それは女性に人間としての尊厳と自律を求めるものであり、物質的要求を直接要求するものではなかった。中産階級を主体としたことの反映であった。日本でも同様であったが、アメリカによる占領改革のインパクトが大きい。 (3)ヴィシー政権と大日本帝国:ヴィシー政権も日本も、戦時中の非人道的行為への認識について議論がある。両国とも終戦直後にはこの問題に触れることを回避してきたが、ニューレフト(ヌーヴェル・ゴーシュ、新左翼)の問題提起によって政治問題化した。 (4)現代日本の政党政治と社会運動の展開:平成の30年間における、政党活動と社会運動について分析し、原稿を執筆した。
|