2017 Fiscal Year Research-status Report
国際協力におけるパートナーシップの実態の考察―民主化・ガバナンス分野を中心に
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16K03529
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Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
杉浦 功一 和洋女子大学, 人文社会科学系, 准教授 (70453470)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 民主化 / 民主化支援 / ガバナンス / パートナーシップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、民主化・ガバナンス支援を軸に据えながら、①国際協力での支援プロジェクトにおけるパートナーシップの実践を検証してその実態を明らかにすることを目指す。同時に、②民主化・ガバナンス促進の観点から見たパートナーシップの正当性と実効性を検証し、③国際協力におけるパートナーシップという手法自体のあり方について一般的な示唆を導くべく研究を進めるものである。2年目にあたる本年度は、幅広い先行事例や研究を引き続き収集しつつ、初年度に選別したプロジェクトについて、追跡調査を続けるとともに、複数の新しいプロジェクトの調査を開始することを予定していた。 しかし、昨年度の報告書で述べたように、初年度は別の科研費の延長のために十分な研究活動を進めることができなかった。そのため、本年度は、本来昨年度に行う予定であったプロジェクトの選別作業に重点を置くこととなった。結果、特にカンボジアにおける選挙支援活動を取り上げることにして、2018年2月の1週間ほど現地調査を実施するなど、情報の収集・分析にあたった。 事例に関する研究の成果は公表できる段階ではないが、民主化支援について関連した研究成果をいくつか公表している。まず、木村宏恒監修、稲田十一、小山田英治、金丸裕志、杉浦功一編著『開発政治学を学ぶための61冊』(明石書店)を2018年2月に刊行した。第17章「市民社会」、第18章「民主化」、第21章「民主化支援」を担当したが、いずれの章も最新の動向をまとめており、今回の研究に関わるものである。また、2018年3月には、9月の日本政治学会での報告を踏まえて、単著論文「デモクラシーの概念の変容の考察―民主化支援活動の現状から」(『和洋女子大学紀要』第58集、13-24頁)を公表した。同論文では、「非政治化」する民主化支援活動とそこに反映されたデモクラシー概念そのものの変化を追っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、研究代表者のこれまで研究蓄積のある民主化・ガバナンス支援を軸に据えながら、①国際協力での支援プロジェクトにおけるパートナーシップの実践を検証してその実態を明らかにし、同時に、②民主化・ガバナンス促進の観点から見たパートナーシップの正当性と実効性を検証し、③国際協力におけるパートナーシップという手法自体のあり方について一般的な示唆を導くべく研究を進めるものである。2年目にあたる本年度は、幅広い先行事例や研究を引き続き収集しつつ、初年度に選別したプロジェクトについて、追跡調査を続けるとともに、複数の新しいプロジェクトの調査を開始することを予定していた。 しかし、本来は平成27年度に終了予定であった単独で研究代表者を務める別の科研費を、政治情勢の問題等により1年延長せざるを得ず、本研究は計画より遅れることとなった。本年度にできるだけ追いつくためにプロジェクトの選別を進めたが、民主化・ガバナンス支援を取り巻く国際政治環境の変化の影響で、適切なプロジェクトを見つけることが難しくなっている。また、国連の持続可能な開発目標(SDGs)ではパートナーシップ活動が重視されるものの、途上国側への配慮のために民主化支援自体が縮小傾向にあり、パートナーシップの形態をとっていて、実施のタイミングが、本研究の期間に近い過去、あるいは進行中かつ期間内に終わるものを探すのが現在難しい。 そこで本年度は、むしろパートナーシップが難しくなっている事例を取り上げることにして、もろもろのタイミングからカンボジアの選挙支援の事例を取り上げることにし、現地調査を含めた研究活動にとりかかることができた。また、民主化支援全般に関する関連した業績を公表もしている。しかし、本来はより多くの事例を取り上げる予定であったことを考えると、まだ本来の計画の達成は遅れている状態にあるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、幅広い先行事例や研究を引き続き収集しつつ、初年度に選別したプロジェクトについて追跡調査を続けるとともに、複数の新しいプロジェクトの調査を開始することを予定していた。しかし、先述のようにその計画は遅れている。そこで、来年度は、本年度より調査を開始したカンボジアの選挙支援の事例の検証を続けるとともに、新たな事例を選んで本格的な調査を行っていきたい。本来の予定通りに来年度に研究を完結することは困難かもしれないが、研究成果の部分的な公表を行いつつ、可能な限り予定されていた研究計画を実行できるように努めていく。
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Causes of Carryover |
本来は平成27年度に終了予定であった単独で研究代表者を務める別の科研費を、政治情勢の問題等により1年延長せざるを得ず、昨年度が当初の予定通りには研究を遂行することができず、本年度もその影響を受けた。
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Research Products
(4 results)