2018 Fiscal Year Research-status Report
国際協力におけるパートナーシップの実態の考察―民主化・ガバナンス分野を中心に
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16K03529
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Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
杉浦 功一 和洋女子大学, 人文学部, 教授 (70453470)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 民主化支援 / 民主化 / パートナーシップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、民主化・ガバナンス支援を軸に据えながら、①国際協力での支援プロジェクトにおけるパートナーシップの実践を検証してその実態を明らかにすることを目指す。同時に、②民主化・ガバナンス促進の観点から見たパートナーシップの正当性と実効性を検証し、③国際協力におけるパートナーシップという手法自体のあり方について一般的な示唆を導くべく研究を進めるものである。3年目にあたる本年度は、過去2年間で選んだ支援プロジェクトの調査を仕上げるとともに、それらの分析と比較を行うことを予定していた。 しかし、初年度は別の科研費の延長のために十分な研究を進めることができなかっため、本研究は1年後ろ倒しになっている。本年度は、幅広い先行事例や資料を収集しつつ、選別したプロジェクトの追跡調査を続けるとともに、複数の新しいプロジェクトの調査の開始を試みた。特にカンボジアにおける選挙支援活動を取り上げて、2018年7月の総選挙のタイミングで各種調査を行った。また、新しい支援プロジェクトの調査の可能性を探るために、2019年3月にはタイの総選挙に関わる市民社会組織を調査した。1週間ほど現地調査を実施するなど、情報の収集・分析にあたった。 本研究に関連した研究成果を本年度にいくつか公表している。まず、2018年10月27日に日本平和学会秋季研究大会において「民主化支援の今日的ディレンマ――国際社会から見た現状と課題」という報告を行った。同報告では、上のカンボジアの事例に触れつつ、民主化支援の抱える困難を市民社会スペースに注目して明らかにした。2018年11月2日には、日本国際政治学会研究大会において「平和とデモクラシーの間のジレンマの検証―『神話』は崩壊したのか?」という報告を行った。同報告では、民主化支援の背景であり、1990年代に信じられていた平和とデモクラシーの間の好ましいとされる関係を再検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は、研究代表者のこれまで研究蓄積のある民主化・ガバナンス支援を軸に据えながら、①国際協力での支援プロジェクトにおけるパートナーシップの実践を検証してその実態を明らかにし、同時に、②民主化・ガバナンス促進の観点から見たパートナーシップの正当性と実効性を検証し、③国際協力におけるパートナーシップという手法自体のあり方について一般的な示唆を導くべく研究を進めるものである。過去2年間で選んだ支援プロジェクトの調査を仕上げるとともに、それらの分析と比較を行うことを予定していた。 しかし、本来は平成27年度に終了予定であった単独で研究代表者を務める別の科研費を、政治情勢の問題等により1年延長せざるを得ず、本研究は計画より遅れることとなった。 本年度にできるだけ追いつくためにプロジェクトの調査を進めたが、民主化・ガバナンス支援を取り巻く国際政治環境の変化の影響で、複数の適切なプロジェクトを見つけることが難しい状況である。また、昨年度も述べたように、国連の持続可能な開発目標(SDGs)ではパートナーシップ活動が重視されるものの、途上国側への配慮のために民主化支援自体が縮小傾向にあり、パートナーシップの形態をとりかつ、実施のタイミングが、本研究の期間に近い過去、あるいは進行中かつ期間内に終わるものを探すのが難しい。 そこで本年度は、昨年度より開始したカンボジアの選挙支援の事例を取り上げることにし、現地調査を含めた研究活動を継続した。並行して新しいプロジェクトの選別を試みた。また、民主化支援全般に関する関連した業績を公表もしている。しかし、本来はより多くの事例を取り上げつつ、まとめの作業に入る予定であったことを考えると、本来の計画の達成は遅れている状態にあるといえる。そのために1年の延長を申請した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、過去2年間で選んだ支援プロジェクトの調査を仕上げるとともに、それらの分析と比較を行うことを予定していた。しかし、先述のようにその計画は遅れて、1年の延長を申請した。そこで、来年度は、昨年度より調査を開始したカンボジアの選挙支援の事例の検証を続けるとともに、新たな事例を選んで本格的な調査を行いつつ、研究のまとめに入っていきたい。研究成果の部分的な公表を行いつつ、可能な限り予定されていた研究計画を実行できるように努めていく。
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Causes of Carryover |
本来は平成27年度に終了予定であった単独で研究代表者を務める別の科研費を、政治情勢の問題等により1年延長せざるを得ず、昨年度に続いて本年度もその影響を受けた。また、本務校での仕事が想定されたよりも多忙で十分な時間を確保できなかった。使用計画期間の延長をすでに認められているので、次年度に完結するように計画している。
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Research Products
(2 results)