2019 Fiscal Year Annual Research Report
Designing collusion-proof kidney exchange mechanisms
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16K03567
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
若山 琢磨 龍谷大学, 経済学部, 准教授 (80448654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 裕二 (藤中裕二) 関西大学, 経済学部, 准教授 (20552277)
舛田 武仁 大阪大学, 社会経済研究所, 講師 (80725060)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | メカニズムデザイン / 経済理論 / ゲーム理論 / マーケットデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)理論分析:本研究の目的は、偽装結婚や偽装養子縁組などによってドナーを事前に融通し合うことを抑止する腎臓交換メカニズム(耐保有交換的メカニズム)の設計を試みることである。腎移植は手術を行う医師数や設備などに限りがあるため、通常は同時移植数に物理的な制約が出てくる。そこで2019年度は、このような現実的な制約をモデルに織り込んで考察した。その結果、同時移植数に制限がない場合とは異なり、個人合理性と耐保有交換性を満たす腎臓交換メカニズムが存在しないことが判明した。現在、この不可能性を克服するために、患者の選好集合に適切な仮定を置いた研究に着手している。
(2)経済実験:昨年度に引き続いて、5つの拡張版TTCメカニズムのパフォーマンスを経済実験によって比較する研究を行った。昨年度は、その5つのメカニズムのうち、理論的に最も性能の良いメカニズムについて既に実験を完了していた。そこで2019年度は、残りの4つのメカニズムについて実験実施の計画を立てた。そのうちの2つについては実験を実施することができたが、残りの2つについては、新型コロナウイルスの影響によって日程変更後にキャンセルせざるを得ず、実験を完了できなかった。しかし、プログラムなど実験実施の準備は整っているため、新型コロナウイルスが収束した後はすぐに実験実施に取り掛かることができる。現在は、現時点で得られている実験データを分析しているところである。
(3)本研究課題と関連するメカニズムデザイン研究の論文1本を国際的学術雑誌に公刊し、2本をディスカッション・ペーパーとして公刊した。
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Research Products
(4 results)