2016 Fiscal Year Research-status Report
出産と労働に関する不確実性が存在する下での最適なライフデザインモデルの構築と応用
| Project/Area Number |
16K03660
|
|---|
| Research Institution | Takachiho University |
|---|
Principal Investigator |
迫 一光 高千穂大学, 人間科学部, 准教授 (30547360)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 慶太 山形大学, 人文学部, 講師 (60756526)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
| Keywords | マクロ経済学 / 経済政策 / 不確実性 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度計画は、今後2年間の研究を進捗させるために必要な基本モデルの作成に充てるものであった。本年度計画の第1段階では，これまで申請者が研究してきた異なる出産タイミングを導入した2期間世代重複モデルに2部門労働市場を統合する予定であった。このモデルによって出生行動と労働選択が同時に決定されるライフデザインモデルを構築することであった。これまでに得られた暫定的な知見は，出産タイミング遅延や2部門市場の存在が，家計貯蓄を増加させ資本蓄積の増加を通じて経済厚生に正の影響を及ぼす可能性があることである。
今後さらにこの基礎モデルを精緻化し出生行動に適切な不確実性の導入を検討している。この出生行動に関する不確実性のモデルへの導入をしっかり検討したのち、基礎モデルに不確実性を取り込んだモデルにおける安定性および解の存在，比較静学等のモデル分析の基礎を完成させる。その後、出生支援政策や労働支援政策を取り込んだ拡張モデルに関しても同様に分析し，解析的にどこまで分析可能かを考察する予定となっている。現在は、第１段階での基礎モデルが概ね完成しつつある段階であり、今後は，第2段階の不確実性を導入したケースの分析を行い、解析的な分析が困難な場合の対応策を検討する。くわえて、本モデル研究の結論を用いて出産支援策が家計の経済厚生に如何なる影響を及ぼすかなどに関するパラメータを用いたシミュレーションを行ない、理論研究の現実妥当性を確認する。来年度、再来年度に向けて着実な成果を出すために基礎モデルを慎重に検討している。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、当初予定していた学務に加えて、本務校における複数の臨時的な学務を行わなければならない状況が生じた。このため、当初の予想以上に学務に時間を取られたため本年度の本研究計画に割くべき時間が十分に取れない状況が生じることとなった。ただし、今年度はこの遅れを生じさせた臨時的な学務に関しては概ねその問題は解消されたため、予定通り本研究課題に時間を割くことでその遅れを取り返す目途がついている。
|
| Strategy for Future Research Activity |
本年度かなり時間を割く必要が生じた学務は概ね終了し、今後は予定通りに本研究課題に関する研究時間を割くことが出来る目算がたった状況である。くわえて、申請者が研究分担者としてかかわっているその他科学研究費課題によって得られた知見のいくつかを本研究課題に応用できる目途が付きつつあるためこの遅れを取り返せる素地が出来つつある。
|
| Causes of Carryover |
申請者の予期せざる業務が生じた関係上、共同研究者との打ち合わせ用の旅費など予定した支出ができない時期が生じたことによる残額です。
|
| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、研究過程で生じるであろう課題を専門家にアドバイスを求めるための支出や今年度購入する予定であった備品を購入するため今年度の残額は使用される予定です。
|
Research Products
(3 results)
