2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K03764
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
万 軍民 福岡大学, 経済学部, 教授 (40423123)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | バブル / 不動産 / 投機 / 税 / 銀行 / 不良債権 / 中国 / 計量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年7月に著者単著の論文、Prevention and Landing of Bubbleは、米国査読誌International Review of Economics and Financeに出版された。この論文は、合理的バブルの発生条件、その発生を未然に予防する条件、発生したバブルをソフトランディングさせる条件等を明らかにした。学術の意味としては、バブル発生を予防または回避し得るのがが初めて提示されたということが挙げられる。政策的な含意としては、政府等のポリシーメーカーが本論文で提示されたツールを持って投機的な市場取引に適切な介入を行なえば、バブル発生を回避でき、かつ、発生したバブルをソフトランディングさせることが可能であり、より効率的でより安定的な市場経済が運営されるということである。
また、2018年9月に著者単著の論文、Nonperforming Loans and Housing Prices in Chinaは、米国査読誌International Review of Economics and Financeに出版された。この論文は、2007年~2015年の中国の銀行個票データ及び各地の不動産価格データを用いて、不動産バブルを検出し、このバブルが不動産関連産業の過剰投資を促し、その投資を融資する銀行の不良債権を有意に押し上げたことを発見した。学術的な意味としては、バブル進行中にも不良債権の主因であることが初めて発見されたのが挙げられる。政策的含意としては、中国は不動産バブルをいかにソフトランディングさせるのが、経済の効率的かつ安定的な運営に必須であることが挙げられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
バブル予防とランディングの理論研究、及び、バブル発生が銀行不良債権に与える影響の実証研究では、学術雑誌掲載までの改訂等の作業は時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画の通り努力していく。
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Causes of Carryover |
前年度では、6,611円の繰越金が生じたが、この繰越金を2019年度の研究に当てる。特に、2019年度では、8月に英国で開催される予定のEconometric Society European Meetingへの参加のため、参加費等を含み多額な支出が予想されるので、前年度繰越金と新年度の助成金と合わせて使用する計画である。
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Research Products
(7 results)