2020 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical and Theoretical Studies on Non-performing Loans and Housing Bubbles in Japan, the U.S., and China
Project/Area Number |
16K03764
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
万 軍民 福岡大学, 経済学部, 教授 (40423123)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 投機的貯蓄 / 米中貿易戦争 / 過剰貯蓄 / 過小貯蓄 / バブル / 基軸通貨 / 過剰投資 / 過少投資 |
Outline of Annual Research Achievements |
Wan (2021,US-China Trade War: Speculative Saving Perspective, The Chinese Economy, March, vol. 54(2), pp. 107-123.)は、投機的貯蓄仮説を提示し、米中貿易戦争の引き金となった米中収支不均衡問題を分析して対策を提案した。資産バブル発生を予想すると、合理的家計はキャピタルゲインのため投機的な貯蓄を行い、貯蓄率は金融市場とバブルの影響を受ける。中国のような国は国内金融市場未発達で、かつ、国際的にも人民元で資金調達が至難のため過剰貯蓄が発生し、金利が低いほどバブルが激しいほど、過剰貯蓄が大きくなる。一方、米国のような国は、国内金融市場が発達して、かつ、国際的にもドルという国際基軸通貨で資金調達が容易なため過小貯蓄が発生し、金利が低いほどバブルが激しいほど、過小貯蓄が大きくなる。この米中対称均衡であるグローバル不均衡は、低金利を含む過度な金融緩和策とバブル進行で拡幅されるので、過度の金融緩和策の見直し、バブル予防とソフトランディング、及び、国際通貨基金のSpecial Drawing Rightによるドルという国際基軸通貨の漸近的代替が米中の投機的貯蓄を抑制して米中不均衡を緩和し、米中貿易戦争の解決に一助するという斬新な視点を提示した。 Wan (2021, Transmission of Housing Bubbles among Industrial Sectors, CAES Working Paper Series, WP-2021-006, Fukuoka University, March 24,pp.1-25.)は投入産出表と新古典派一般均衡モデルの結合で、不動産バブルが関連産業過剰投資と他産業過少投資を齎して実体経済へ歪んだ影響を与えるのを理論的に解明した。
|
Research Products
(8 results)