2017 Fiscal Year Research-status Report
戦前期学校教育制度と国際的人材形成に関する史的研究
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16K03799
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
木山 実 関西学院大学, 商学部, 教授 (30340897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋谷 紀男 明治大学, 政治経済学部, 専任教授 (00202549) [Withdrawn]
藤村 聡 神戸大学, 経済経営研究所, 准教授 (00346248)
山藤 竜太郎 横浜市立大学, 国際マネジメント研究科, 准教授 (00432055)
大島 久幸 高千穂大学, 経営学部, 教授 (40327995)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 三井物産 / 三菱商事 / 鈴木商店 / 商業学校 / 高等商業学校 / 海外実業練習生 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、前年度に引き続き類似の研究テーマを設定している他の研究者を交えて定例の研究会を東京、大阪で計2~3回開催し、さらに台湾・台北市で、現地の大学に籍を置く香港人、台湾人研究者も参加する形で研究会を1回開催し、これらの研究会で研究代表者、研究分担者が研究発表を行った。台北での研究会に付随して同市内の複数の図書館で戦前期日本統治時代の史料調査も実施した。またこれとは別に、メンバー各自で個別に複数回の史料調査を行った。 平成29年度の刊行成果物としては、研究代表者・研究分担者全員が、若林幸男編『学歴と格差の経営史』(日本経済評論社)に寄稿したことがあげられる(ただし研究代表者の木山は研究分担者の大島との共著。大島は単著論文も1本寄稿)。 この他、研究代表者の木山は、これまで進めてきた農商務省「海外実業練習生」制度によって明治期に海外渡航した人員に関する出身校などの情報の入力作業を完成させて史料紹介として刊行し、戦間期以降の産業発展に貢献することになる「海外実業練習生」経験者では高等ならびに中等の商業学校出身者が1つの勢力となっていたことを示した。研究分担者の藤村は、1927年に経営破綻した神戸の大商社である鈴木商店について、その人的側面から破綻の要因を探る論考を発表した。山藤は横浜商業学校に関する研究を進め、その昇格運動に関する論考を発表した。大島は、上記の若林幸男編の本では三井物産に関する論考を寄稿したが、それとは別に、三菱商事の職員層や海運事業に関する論考を複数発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者の木山は、農商務省・海外実業練習生制度によって明治期に海外渡航した人員のデータ入力およびそれら人員の学歴を可能な限り調べたものを史料紹介として刊行するとともに、複数回の史料調査を実施して大量に史料撮影を行った。 また研究分担者の各人も複数回の史料調査および複数の論考を発表することができた。これらの成果は、定期的に開催している研究会で情報交換できている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、本研究の最終年度であり、これまで得られた成果を学会発表として報告する。5月末に大阪大学で開催される社会経済史学会の全国大会で研究代表者の木山と研究分担者の大島は個別に学会報告することがすでに決まっている。他の研究分担者も他の学会での研究発表を検討中である。学会発表とならんで、従来同様に研究会を東京、大阪で開催する。 また国内外での史料調査も続行する。
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Causes of Carryover |
国内外での史料調査をより多く実施したかったが、国外は台湾に1回、国内は東京方面を中心に実施したが、スケジュールの調整に時間を要したため当初予定していたほど史料調査を実施することができなかった。 次年度は、研究会ならびに国内外での史料調査に加え、学会での研究発表を計画しているため、旅費に充てることにする。
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Research Products
(8 results)