2016 Fiscal Year Research-status Report
サプライチェーン・レジリエンス実現のメカニズムに関する国際比較研究
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16K03832
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
崔 宇 追手門学院大学, 経営学部, 准教授 (60445004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井戸田 博樹 近畿大学, 経済学部, 教授 (10352957)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | サプライチェーンレジリエンス / インダストリアルインターネット / SCMのデジタル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
人的・自然災害によるサプライチェーン寸断と社会システム全体の混乱状態を即時に修復可能とするレジリエンスの実現が急務な課題となっている。他方、技術進歩によるインダストリアルインターネット環境の構築が目覚ましい。今日サプライチェーンマネジメント(SCM)のデジタル化が着実に推進されている中、インダストリアルインターネットの環境整備がサプライチェーン・レジリエンス(SCR)の向上に与える影響の度合いについて殆ど測られていないのは現状である。本研究は先進企業の事例研究およびアンケート調査を通じて、日本と東アジア企業に対してインテリジェントなSCR実現のメカニズムを検証することを目的として、国際的な共同研究を行う。 本年度は各国の産業集積地の企業に聞き取り調査を行った。直接の聞き取りは分担者と海外協力者の研究チームの協力を得ながら実施した。インタビュー対象は、調査の趣旨に沿う形で抽出したサプライチェーンを運営している企業としており、インダストリアルインターネット環境の整備の進捗度及び問題点、サプライチェーン自体の脆弱性とその発生源に対する認識の度合い及びSCR向上への施策と取組状況などについて調べた。また、SCR関連の文献収集やデータ集めに取り組み、ヒアリング調査の結果を先行研究からの知見と照合しながら、インテリジェントなSCR実現に必要なインダストリアルインターネット環境と人的・組織的な情報システムの基本的なファンクションとのブレンディング効果について考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定通りに研究を行っており、各国での実地調査や海外協力者との共同研究も順調に進めている。国内外の学会参加を頻繁に行っており、研究者や実務家との情報交換および発表報告も積極的に取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目の本年度は各国での実地調査を続け、分担者と一緒に現地のサプライチェーンを運営している企業にヒアリング調査を継続的に行う予定である。また、前年度のヒアリング調査で使われた項目について、分担者と海外協力者と一緒に慎重に再検討し、より効果的な調査結果が得られるように最大限に努力を重ねていく。文献レビューやデータ収集も継続的に行っていき、本研究に関わる最新の研究成果を見据えながら、調査結果の分析や当初考案した仮説の検証と調整を行っていく。昨年度に引き続き、研究の途中結果の公表にも努めていきたい。
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Causes of Carryover |
海外協力者の助言に基づき、ヒアリング調査の一部を次年度に繰り越したため、資金に余剰が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度から繰り越しされた資金は、予定通りに海外でヒアリング調査のために旅費に充当する。
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Research Products
(19 results)