2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on Ohmi Merchants as Risk Managers
Project/Area Number |
16K03837
|
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
前田 祐治 関西学院大学, 経営戦略研究科, 教授 (70456747)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 雅洋 和歌山大学, 産業連携イノベーションセンター, 名誉教授 (00151837)
酒井 泰弘 滋賀大学, 経済学部, 名誉教授 (40093760)
曽根 秀一 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 准教授 (70634575)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | リスクマネジャー / 保険 / リスクマネジメント / 近江商人 / リバプール商人 / アラブ商人 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、近江商人をリスクマネジャーとしての役割と意義、さらに同時代の欧米の商人アラブ商人、リバプール商人などと比較しそのリスクマネジメントの役割の違いについて分析し考察を試みることであった。 分析結果として、近江商人、アラブ商人、リバプール商人ともに海上輸送を中心にした商業によって、消費都市と生産地域を相互的に発展させていた点での役割は非常に類似してる。海上輸送はその時代木造の帆船であり難破による貨物損害、人的損害のリスクは大きかった。 アラブ商人、リバプール商人はそれらのリスクに対し、一般の人々からリスク引受人を募る方法で後の海上保険システムを形成していった。 一方、近江商人は海上輸送の様々なリスクに対して、輸送経路を「分散」させる方法をとるとともに、万が一の際損害に対して相互扶助的な「リスクプールシステム」を形成していった。このリスクプールは現在の「保険プール」とシステム的に類似し、商業保険制度へと繋がる画期的なシステムであると認められる。本研究成果として、リスク分散とリスクプールという2つの車輪でリスクマネジャーとしての役割を担った近江商人論を、アラブ商人とリバプール商人との比較論のなかで論じた論文を公表した。 さらに、リスクマネジャーとしての近江商人論から発展させた成果物として「現在の日本と欧米のリスクマネジメントの比較論」も派生的な成果として学会にて報告し、論文投稿をした。
|
Research Products
(8 results)