2018 Fiscal Year Annual Research Report
Interdependent Behaviors and Survival of Japanese Firms in Emerging Countries and
Project/Area Number |
16K03888
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
竹之内 秀行 上智大学, 経済学部, 教授 (90297177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 泰浩 桜美林大学, 経済・経営学系, 教授 (50296224)
岸本 壽生 富山大学, 経済学部, 教授 (80262492)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 相互依存的行動 / 撤退 / 制度的欠陥 / 新興国市場 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、新興国市場における日本企業の存続・撤退パターンを明らかにすることである。特に、新興国市場への参入時の投資行動との関係に注目した。なぜなら、新興国市場は市場としての重要性が高い一方で、外国企業が事業展開を行うのが困難な市場だからである。加えて、新興国市場における外国企業の事業の存続・撤退については十分な検証が行われてきたとは言えないからである。 研究実績として、第1に1987年~2010年の日系自動車部品メーカーの対中投資データベースの構築と精緻化を行った。データベースの精緻化・改良については、日系自動車部品メーカーの、中国市場における進出パターン、事業継続の有無、事業経験などに関するデータを重点的にアップデートした。 第2に、日系自動車部品メーカーの中国市場における存続・撤退に関する、いくつかの探索的実証分析を行った。研究結果について①国際ビジネス研究学会(早稲田大学)、②SASE(University of California, Berkeley)と(Doshisya University, Kyoto)、③国際ビジネス研究学会九州部会(九州産業大学)などにおいて報告を行った。 その結果、いくつかの点を明らかにすることができた。第1に、新興国市場(中国市場)への進出において本国の同業他社の産業集積の影響があることに加えて、新興国市場(中国市場)における事業経験とともに進出パターンに変化がみられることが分かった。第2に、中国市場における撤退の現状を把握することができた。具体的には、日系自動車部品メーカーが中国市場からの撤退率や、撤退企業の平均存続年数などを明らかにすることができた。最後に、完成車メーカーが多く進出している地域を選択する企業ほど撤退する傾向が低く、同業他社が集積する地域を選択する企業ほど撤退率が低かった。
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