2018 Fiscal Year Annual Research Report
Innovation and Diversity in Japanese Company: A Study from the Perspective of Absorptive Capacity
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16K03902
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
山崎 秀雄 武蔵大学, 経済学部, 教授 (30366968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 健哉 成城大学, 社会イノベーション学部, 教授 (60265775)
山田 敏之 大東文化大学, 経営学部, 教授 (10453664)
横尾 陽道 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 准教授 (30382469)
周 ヒョンジョン 千葉経済大学, 経済学部, 准教授 (30512800)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | イノベーション / 吸収能力 / 多様性 / 組織学習 / 越境学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, 組織における多様性(個々の従業員や各部門・チームが保有する知識やスキル,考え方における多様性)の程度や知識の吸収能力にフォーカスし,それらの要素とイノベーションの創出との関係について,理論的・実証的な分析を試みている. 平成30年度は,理論研究に加え,日本の大企業(製造業)1,259社に対して本研究3回目のアンケート調査を実施し,104社から回答を得た.今回の調査では,組織における多様性や創造的学習とイノベーション創出との関係について引き続き検討するとともに,社外から新たな知識を吸収する1つの経路としての従業員による越境学習や共創のプロセスにも着目し,分析を行った. 分析の結果,主な発見事項として以下のような傾向がみられた.①トップの企業家精神が発揮されている企業では,従業員の行動に対する自由度,すなわち創造性発揮のためのゆとりが与えられている,②従業員の自律的行動や挑戦意欲を喚起するマネジメントを実践している企業では,従業員の越境学習が推奨され,そのことが組織内での創造的学習の機会を増大させている,③創造的学習は,人材の多様性の高さに異部門間交流の活発化という要素が加わることでより促進される,④創造的学習と適応的学習は,直面する状況に応じて両者のウエイトを変えること(いわゆる「両利きの経営」の実現)が必要である. 研究期間全体(平成28~30年度)を通じての成果としては,理論研究並びに3回のアンケート調査の結果,おおむね以下のような関係が明らかになった.まず,組織における多様性の高さや知識の吸収能力の高さは,イノベーションの創出にプラスの影響を与えるとみられる.ただしそのためには,将来ビジョンが組織に浸透していることや,組織内での創造的学習を促すべく,ミドルがカタリストとなって部署等の枠を越えた交流活動の活性化を図ること等が重要となる.
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Research Products
(10 results)