2021 Fiscal Year Research-status Report
労働紛争当事者の規範と内面的要請―整理解雇をめぐる裁判を中心に
Project/Area Number |
16K03923
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Research Institution | Kawaguchi Junior College |
Principal Investigator |
平澤 純子 川口短期大学, その他部局等, 教授 (50517224)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 労働紛争 / 整理解雇 / 裁判 / 規範 / 内面的要請 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の研究期間内における目的は、整理解雇をめぐる紛争当事者の(1)試行錯誤して繰り広げる営為の中に内在する規範を究明し、その合理性を検討すること、(2)紛争処理をめぐる内面的要請を浮き彫りにすることの2点である。 この研究は次のような長期的研究目標の足がかりとして進めてきた。その長期的目標とは、(3)国家の労働政策が企業の経営政策を規定するのではなく、企業の自律的・自主的な経営政策を補完する労働政策のあり方を考察すること、(4)資本主義経済において皆無にできない整理解雇と、整理解雇紛争に経営学が何をなしうるか、経営学の可能性を探り、経営学の存在意義を高める研究を進めることである。 本研究は、その成果を国内外に還元することを最初から目指してきた。上記(3)(4)の長期的目標の下に上記(1)(2)に取り組んだ本研究の成果は、英文での単著として発表できるよう、その原稿を当初の研究期間内(2016年度~2019年度)でとりまとめた。国際的な議論に寄与できるよう、海外での研究発表を踏まえて出版する予定であったが、新型コロナウイルス感染症拡大で海外での研究発表を延期せざるを得なくなった。 こうした事情から当初の予定より2年近く遅れたが今年度(2021年度)ようやく海外で研究成果を発表し、そこでの助言を受けて単著を発行することができるようになった。 今年度(2021年度)発行した拙稿は、単著発行に先立ち、本研究の意義を明確にすべく既存の研究の到達点を整理したものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
この研究に着手した当初、研究成果の単著の原稿を最終年度にとりまとめる計画であった。実際、研究成果のとりまとめは当初の研究期間内に終えていた。研究成果の発行は、「研究実績の概要」に記載のとおり、海外での研究発表、そこで得られる助言を踏まえて改訂したものを発行するつもりであった。このため、新型コロナウイルス感染症拡大で海外渡航ができずに海外での研究発表が2年ほど遅れ、単著の発行も遅れてしまった。 研究成果の発表が2年ほどの遅れた事態は重く受け止めている。しかし、その一方で外部環境ではなく、自己で制御できる進捗状況は当初の予定通りであること、また、長期的目標の下に本研究の次の研究に取り組むこともできていることから、おおむね順調と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果を単著で発行すべく改訂・編集作業を進めている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:本研究の成果をとりまとめた単著の原稿は研究期間(2016年度~2019年度)の間に完成させた。しかし、この単著は海外での研究発表を経て発行する計画であった。新型コロナウイルス感染症の拡大で海外での研究発表が2年近く遅れたため、単著の発行も2年ほど延期せざるをえなくなった。 使用計画:単著発行延期に伴い、必要なアップデートを加えるなどの改訂・編集を行う。また、かねてより国際的な研究会での発表の打診があったので、これらに使用させていただきたい。
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Research Products
(1 results)