2019 Fiscal Year Annual Research Report
Toward the development of a system to promote an environment where people who experience disabilities can find and sustain employment
Project/Area Number |
16K04071
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
バーニック ピータージョン 長崎大学, 障がい学生支援室, 助教 (00752726)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 障がい者 / 就職 / 就労継続 / 要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
障害のある人はそうでない人と比べて就職率が低く、雇用条件も悪く、離職率も高いことから、障害のある人の就職や就労の継続が現代社会において重要な課題となっている。また、この現象は日本固有のものではない。2019年の米国の発表によると、障害のある人は障害のない人と比べて失業率が高く(8.0%対3.7%),就業率も低い(19.1%対65.9%)ことが明らかになっている。 本研究では、障害のある人の就労の長期継続に寄与する要因を当事者側からのアプローチで特定し,広く障害のある人の就労環境改善に貢献することを目的とした。特に就労が1年以上続いている人に焦点を合わせ,その人自身の満足感などの主観的要素に重点をおき調査を実施した。研究期間の前半では調査項目の検討及び協力企業等の特定を行い、研究の最終年度には一般就労している障害のある人を対象に47項目からなる(所要時間15~20分)アンケート調査を約130名に配布し、23名から回答を得た。 アンケート調査の有意差のある結果として、同じ職場で長く(3年以上)働いている人は満足度が高く、「働きやすい」と感じることもわかった。また、自身の障害への家族の理解において、3年以上同じ職場で働いている人の方が家族の理解度が有意に高いことが判明した。さらに、同じ職場で4年以上働いている人は同僚への相談しやすさにおいて有意差はなかったが、「仕事以外の困難・困りごとについて直属の上司への相談しやすさ」が有意に高い結果となった。 今回の結果から、家族の理解,職場環境に対する満足感、そして職場における人間関係の大切さを認め,就労の継続を促進するにはこれらの要素に焦点を合わせる重要性が示唆された。今後、今回得られたデータを足がかりに、対象者を増やし、当事者の視点に立った就労継続に寄与する要因の更なる特定を進めることが大切であると考える。
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