2016 Fiscal Year Research-status Report
精神障害者の在宅勤務の導入・定着における企業の環境整備分析と複合的支援の研究
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16K04143
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
山岡 由美 岩手県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (30410442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 梨恵 岩手県立大学, 社会福祉学部, 助教 (10448615)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 在宅就業 / 精神障害者 / 支援機関 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、障害者在宅就業支援団体へのヒアリング調査、全国的な障害者支援事業所へのアンケート調査および就労移行に実績のある障害者支援事業所へのヒアリング調査を実施してきた。 本年度は、予備調査として、東北地域におけるICTを活用した仕事に関するアンケート調査を11月に実施し、その中から岩手県内で取り組みの実績がある就労支援事業所へのヒアリング調査も行った。 全国的には、多様な就労の形態を創出し、先駆的にすすめている松山市の事業協同組合加盟事業所へのヒアリング調査を行い、在宅就業を進める上での環境整備について聴き取りを行った。そこで得られたことは、個々の障害特性に配慮するというよりも、出来ることを明確にし、個々の特性を上手くつなぎ合わせ、そのことでどのように生産性の向上に結び付けていくかが重要であることが示された。中小企業であるほど、協同(共同)受注という方式により、販路の拡大や仕事量の確保を目指すことが必要であり、大企業においては組織的に安定した基盤があるが、わが国で多数を占める中小企業での「在宅で働くこと」を実現させていくことが、今後の在宅就業支援の方向性でもあることが分った。 また併行して、精神障害者の在宅勤務を導入している企業に対して、導入の経過と配慮すべき視点・業務管理等環境整備、およびバックアップ施設の有無等について、聴き取り調査をスタートしたが、その実数は少なく分析・検討するまでには至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
精神障害者の在宅勤務を導入している企業に対して、導入の経過と配慮すべき視点・業務管理等環境整備、およびバックアップ施設の有無等について、聴き取り調査をスタートした。しかし、ヒアリング調査対象企業の抽出に時間がかかっており、本格的な実施に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、ヒアリング調査対象企業の抽出を早急に行い、障害者の在宅勤務を導入している企業に対するヒアリング調査を進める。ヒアリングの視点としては、共通する事項と個別的な取り組み等を把握し、有効な取り組みの手法について検討する。 また、精神障害者の導入実績のない企業へは、今後の導入への見通しや導入に至っていない要因について、精神障害者本人に関わる要因と企業内での合意形成や環境要因の双方から実態を把握する。 また、このことを進める上で、研究協力者の確保を急ぎたい。
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Causes of Carryover |
本年度予定していたヒアリング調査において、対象企業の抽出が遅れていることが理由として挙げられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記、ヒアリング調査を確実に進めることで、使用額も増額となる。
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