2016 Fiscal Year Research-status Report
精神障がいのある親と暮らす子どもへの「チーム学校」を基盤とした支援モデルの開発
Project/Area Number |
16K04149
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
長沼 葉月 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (90423821)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 精神保健福祉 / 子ども家庭支援 / 養護教諭 / チーム学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、埼玉県内の全公立小中学校の養護教諭を対象として、精神障害のある親と暮らす子どもへの支援に関する実態調査を行った。調査は平成28年11月~12月にかけて調査の主旨を説明した依頼状及び自己記入式質問紙を配布し、同意が得られた場合にのみ回答を郵送法にて回収した。対象学校数は休校中の4校を除く1229校であり、うち468校から回収を得た(回収率38.1%)。 本調査は養護教諭が把握している範囲で、精神障害のある親と暮らしている児童生徒の実情と支援の実際について明らかにすることを目的としている。養護教諭が把握する際には、(1)保護者や児童生徒本人、また関係機関等から親に精神障害があるとはっきり伝えられている場合と、(2)明確な情報提供があるわけではないが児童生徒本人の日常的な話や担任教諭や他の保護者等から寄せられる情報から、親のメンタルヘルス上の課題が懸念される場合の両方があり得ると考えられる。本調査ではそれぞれの場合に該当する児童生徒数を尋ねた。その結果、(1)に相当する親に精神障害があるとはっきりと把握している児童生徒が「いない(0人)」という学校は29.9%、(2)に相当する親に精神障害があるのではと懸念している児童生徒が「いない(0人)」という学校は18.8%にとどまり、(1)も(2)も合わせて全く「いない(0人)」と回答した学校は12.4%のみであった。つまり7割の学校には養護教諭がはっきりと把握している児童生徒がおり、気にかけている学校まで含まれば8割以上に精神障害のある親と暮らす子どもの存在が示唆された。(1)と(2)を合計した学校ごとの気になる児童生徒総数は、最小値0人、最大値45人、平均で5.4人(標準偏差6.3人)であった。現在より詳細な分析を行っている最中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者が当該年度内に出産し、育児休業に入ったため、調査票回収後の分析作業やその後の計画に遅れが生じている。調査分析は徐々に進めていく予定である
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、調査結果の詳細分析を行う予定である。分析結果に基づくワークショップの開催に関しては連携研究者等との協議を踏まえ、実施時期を先送りすることを検討している。当初計画では平成29年度夏季に実施予定であったが、調査データの精査を優先するため、ワークショップは平成29年度の冬季ないしは春季、または平成30年度の夏季に実施する可能性がある。
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Causes of Carryover |
研究代表者が育児休業に入り、調査分析が予定より遅れているため、調査分析結果のフィードバック資料の作成及び送付が出来ていない。研究全体の実施時期を少しずつ延期していく予定であり、時期は遅れるものの、予定通り調査分析結果のフィードバックは行う。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
時期は延期されたが、計画通り調査分析結果のフィードバック資料の作成、印刷、送付を行う予定である。
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