2016 Fiscal Year Research-status Report
乳児院の一時保護におけるリスクマネジメントプログラムの開発に関する研究
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16K04239
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Research Institution | Chikushi Jogakuen University |
Principal Investigator |
益満 孝一 筑紫女学園大学, 人間科学部, 教授 (40296372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西原 尚之 筑紫女学園大学, 人間科学部, 教授 (50316163)
稲富 憲朗 福岡女学院大学, 人間関係学部, 講師 (60636611)
潮谷 恵美 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 准教授 (70287910)
猪谷 生美 久留米大学, 医学部, 講師 (70331808)
浦田 英範 筑紫女学園大学, 人間科学部, 教授 (70461663)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 社会福祉関係 / こども福祉 / リスクマネジメントプログラム / 乳児院 / 一時保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,委託一時保護先である乳児院と一時保護された乳幼児(以下,要保護児)のリスクを明らかにし,リスクの対策と緩和を目的とするリスクマネジメントプログラムの開発である。具体的には(1)要保護児の抱えるリスクとして,①予防保健学的リスク,②要保護児のケアの困難性と他児等におよぼすリスク,(2)乳児院の抱えるリスクについてリスク対策と緩和の現状を明らかにすることである。 本年度は研究目的を達成するために、情報収集と、調査の項目の精査を行うために、第1に研究分担者と乳児院の事例検討会に参加し、リスクに関する情報収集と質疑応答、施設長およびソーシャルワーカーとのリスクに関する研究活動を行った。第2に、全国乳児院協議会に「平成25年度一時保護実態調査(益満ら,2015))の研究使用の承諾が得られた。この実態調査の自由記述について、大谷尚によるSCAT (Steps for Coding And Theorization)を用いて分析を行った。分析対象とした自由記述の項目は「一時保護児」「職員体制」「一時保護のキャンセル理由」などである。その内容は、乳児院と要保護児の抱えるリスクには,①夜間など緊急保護等で母子手帳も無く出生・育成歴等の情報不足,②被虐待児等のケア困難,③感染症の感染リスク等,④要保護児とその家族が抱えるリスク等がある。さらに,措置期間の不確実ななかでの⑤職員のマンパワー不足からのリスク等についての実証的データが得られた。 1年目の実績としては,上記以外に、全乳協の会議などに参加し、乳児院の施設長・スタッフなどから情報収集も精力的に行い,乳児院と要保護児の抱えるリスクの現状を明らかにできたので、この結果をもとに、アンケート調査の項目などに反映してゆきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では(1)要保護児の抱えるリスクとして,①予防保健学的リスク,②要保護児のケアの困難性と他児等におよぼすリスク,(2)乳児院の抱えるリスクについて,上記のように①事例検討会に参加、②実態調査の自由記述の分析などにより,①乳児院の抱えるリスクの現状とその対策について,②要保護児の抱えるリスクの現状とその対策についての2種類の調査の準備ができた。 しかし、分担研究者との研究協議がこれからであり、典型的な施設での聞き取り調査が実施できていないので、「おおむね」という評価にした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29-30年度の計画は次のとおりである。平成29年度は、アンケート調査の実施と分析:「施設票」と「要保護児の個票」の調査を実施する。 ①調査対象:全国の乳児院134カ所(2014年10月現在)のすべてに調査票を送付し回収する。個票については、30カ所程度のサンプリング調査とする。全乳協には内諾を得ている。②調査方法:全施設にアンケート調査を送付して,研究協力をお願いする。③調査票:乳児院用の「施設票」は施設長等に記入を自記式で記入をお願いする。「要保護児の個票」は,委託一時保護についての担当責任者(主任等)に自記式で記入をお願いする。④調査内容:調査票の内容は,研究代表者が研究分担者等と先行研究,上述したようにインタビュー調査と分析などをもとに研究協議して作成する。施設票は,1年間の調査期間で,要保護児に必要な情報,一時保護のキャンセルの現状,職員体制,感染症,被虐待児の他児への影響など要保護児について等で構成する予定である。要保護児の個票は,被虐待,発達上の課題等の要保護児の状況,親の状況,保護委託期間等,健康診断の実施等から構成する。⑤分析方法:データ入力など行い、研究代表者が中心となって,SPSSソフトによる統計処理を行う、②自由記述は,SCATを使用する。研究協議をもとに分析し,研究成果をまとめる。 平成30年度は研究成果をもとに、リスクマネジメントプログラムを作成し、各施設の研修会等で実施し,その有効性を検証する。
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Causes of Carryover |
平成29年度に実施する調査をより充実するために、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額を有効に活用して、施設票は全国の乳児院134カ所(2014年10月現在)のすべてに調査票を送付し回収する。個票については、30カ所程度のサンプリング調査とする。より詳細なデーターを得るために、一時保護の多い都道府県・政令都市の個票のサンプリングの数を多くすることで、より詳細な結果が得られるようにする。
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