2018 Fiscal Year Annual Research Report
Efforts to prevent mental health deterioration using a teacher's stress check system
Project/Area Number |
16K04348
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
宮下 敏恵 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (40308226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 慶輔 足利大学, 工学部, 准教授 (90468611)
西村 昭徳 東京成徳大学, 応用心理学部, 准教授 (70439032)
北島 正人 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (30407910)
奥村 太一 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (90547035)
増井 晃 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (80190346)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | バーンアウト / メンタルヘルス / ストレス / ストレスチェックシステム / セルフケア / ラインケア |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の成果としては以下のように大きく3つに分けられる。 1つめとしては、教師用ストレスチェックシステムの精緻化である。多忙な学校現場において実施可能なシステムとして、職業性ストレ簡易調査票との関連を検討した。また職業性ストレス簡易調査票において教師の得点の特徴についても検討を行った。教師においては職務に対する負担感をより感じている一方で、対人関係や職場環境は比較的良好であるという結果がみられている。また働きがいを感じており、職務全体に対する満足度も高く、上司や同僚からのソーシャル・サポートが高いという結果であった。 2つめとしては、教師用ストレスチェックシステムを実際に学校現場において活用し、その効果を検討したことである。教師個人によるセルフケアとしてのストレスチェックと結果の見方や職場環境改善のための研修会を行い、ラインケアに向けての試行プログラムを実施している。研修会を組み合わせることにより、教師用チェックシステムの効果がみられるという結果が得られている。また以前の縦断的データを再分析したところ、ストレスチェックを年度の早い時期に行うことが効果的なのではないかという点が明らかになり、今後の検討課題である。 3つめとしては、高校教師を対象にバーンアウトや残業時間などについて調査を行った。高校教師においては、バーンアウト尺度の情緒的消耗感と同僚ストレス、管理職ストレスに関連が得られ、退職意図にも関連がみられている。また残業時間が短いと身体的な負担や抑うつ得点が高いという結果がみられており、残業時間を減らすだけが有効な方策ではないことが明らかになっている。さらに小、中学校教師とは高校教師においては異なる結果が得られており特殊性を明らかにすることが今後必要だと考えられる。
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