2019 Fiscal Year Annual Research Report
Clinical psychological intervention to improve lifestyle contributes to the reduction of psychobiological stress response.
Project/Area Number |
16K04412
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Research Institution | Beppu University |
Principal Investigator |
矢島 潤平 別府大学, 文学部, 教授 (30342421)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 望ましい生活習慣 / 介入実践研究 / 起床時コルチゾール反応 / 心理生物学的ストレス反応 / 心理教育 / セルフモニタリング学習 / 睡眠習慣 / 指細小動脈拡張能検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,臨床心理学的介入による生活習慣の改善と心理生物学的ストレス反応の軽減との関連性を,フィールド調査,実験室実験及び介入実践研究を用いて検証することを目的とした。本年度は,以下の研究を行った。 (目的)生活習慣や認知に焦点を当てた介入プログラム実践による心理生理学的効果を検証した。 (方法)仕事従事者97名(男45名,女52名,32.9±10.5歳)を対象とした。介入群はピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)カットオフ値を上回る39名(男17,女22,32.8±10.1歳),統制群は58名(男28,女30,32.9±10.8歳)とした。両群に睡眠等の生活習慣に関する心理教育を実施した後,介入群には,1か月間の介入プログラム(1日の振り返りをスマートフォンにて回答,毎日勤務時間中にラジオ体操)を行ってもらった。統制群は普段通りの生活を継続してもらった。介入前後で,血管内皮機能と血管弾力性(FSIL),起床時コルチゾール反応,PSQI,平均睡眠時間,職業性簡易ストレス調査票,コーピング特性簡易尺度,精神健康調査票,特性シャイネス尺度を測定した。 (結果)統制群では,介入前後で有意な変化は認められなかった。介入群では,FSILの硬さと就寝前コルチゾールが介入前に比べ有意な傾向で上昇した。加えて,PSQI,不安と不眠及び行動消極性が有意に低下し,平均睡眠時間,職業ストレスの仕事の裁量度及び感情緊張が有意に上昇した。 (考察)以上の結果から,望ましくない睡眠習慣を行っている個人が,睡眠等の自身の状態に日々向き合うことで,生活習慣に対する認知の変容を促し,睡眠習慣の改善及び主観的ストレス反応の軽減の可能性を示唆している。しかしながら,FSILなどの一部指標では,介入効果が認められず,毎日の記録や運動等の介入負荷による影響が考えられ,実践介入の中身について更なる工夫が必要である。
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[Book] 健康心理学事典2019
Author(s)
日本健康心理学会(分担執筆)
Total Pages
746
Publisher
丸善出版
ISBN
978-4-621-30376-4
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