2017 Fiscal Year Research-status Report
個別心理療法とリワークプログラムの協同による復職支援の新しい心理療法モデルの確立
| Project/Area Number |
16K04417
|
|---|
| Research Institution | Okinaka Memorial Institute for Medical Research |
|---|
Principal Investigator |
舘野 由美子 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (80570449)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
毛利 伊吹 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (20365919)
疋田 尋子 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (40771449)
酒井 由美子 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (50772399)
濱野 晋吾 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (80786806)
櫻井 美智子 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (70786805)
矢崎 大 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (40807111)
野藤 夏美 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (50807112)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
| Keywords | 復職支援 / 個別心理療法 / 職場再適応要因 / リワーク支援 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究計画2年目となり、メンタルヘルス不調により休職した労働者が復職後の再適応過程で影響を受けている要因を個別心理療法の過程から明らかにする計画であった。
初年度にまとめた、復職支援を目的としておこなった個別心理療法過程64名分のデータを用いて、復職後の再適応要因について検討した。その結果、復職制度や異動、職場の人間関係などの「職場環境」、職場適応努力や考え方、家族関係などの「個人的要因」、セラピストとの関係性や心理療法における気づきなど「心理療法」に関わる要因、服薬や外来受診など「医師による治療」に関わる要因、そして「リワーク」への参加やリワークでの気づきなどを表す項目の全111項目から成る「職場再適応要因チェックリスト」を作成することができた。本年度新たに16名分のデータを追加し、合計80名に関してチェックリストを用いて評価した結果、特に「職場環境」において、安心できる環境であること、直属の上司が再適応の成功に影響を与えていること、また「個人的要因」として、人間関係に関する不安が軽減されることが重要であることなどが明らかとなった。また休職を繰り返すクライエントについて検討した結果、復職と直接関係しないと思われるような親子関係や仕事以外の人間関係が影響している可能性が明らかとなり、また復職過程での上司の支援が重要であることも示唆された。そして復職後半年以上勤務継続したクライエントと、半年以内に再休職したクライエントの特徴を検討したところ、生活習慣の見直しや心理療法の継続が復職後の勤務継続に影響していることを指摘できた。
以上の他、個別心理療法とリワークプログラムの協同による復職支援の新しい心理療法モデルの確立に向けて、リワーク支援実施施設への調査票作成にも取り組み、全国の障害者職業センターを対象に調査を実施した。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り、個別心理療法過程を分析することで職場再適応要因を明らかにして、学会報告をおこなった。3年間の研究期間で100名分のデータを集めることを目標としており、2年目は計80名分のデータを分析し、さらに新規に13名分のデータを収集している。
さらに、リワーク支援実施施設への調査用紙も予定通りに作成し、全国の障害者職業センターを対象に調査を実施した。結果の分析、学会報告は来年度を予定している。
|
| Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は、個別心理療法とリワークプログラムの協同による復職支援の心理療法モデルを提示することである。来年度はリワーク支援実施施設への調査結果を分析し、個別心理療法とリワーク支援それぞれの特徴を活かして協同する可能性を探り、復職を目指すクライエントに有効な支援を提示していく予定である。
|
| Causes of Carryover |
次年度、海外でおこなわれる学会発表を予定しているため、本年度の支出を抑えた。
|
