2018 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of a new psychotherapy model for supporting returning to work that combines idividual psyhcotherapy and a return-to-work program
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16K04417
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Research Institution | Okinaka Memorial Institute for Medical Research |
Principal Investigator |
舘野 由美子 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (80570449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
毛利 伊吹 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (20365919)
疋田 尋子 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (40771449)
酒井 由美子 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (50772399)
濱野 晋吾 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (80786806)
櫻井 美智子 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (70786805)
矢崎 大 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (40807111)
野藤 夏美 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (50807112)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 復職支援 / 個別心理療法 / リワーク支援 / 連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究計画最終年度である。メンタルヘルス不調者が休職し復職していく過程で個別心理療法とリワーク支援の連携の可能性を探るため、リワーク支援実施施設にアンケート調査をおこなった。アンケートは、初年度からの2年間で心理療法過程の分析により明らかになったメンタルヘルス不調者の職場不適応要因および再適応要因を参考にして作成された。具体的には、リワーク支援で行われている個人面接の頻度や内容、リワーク支援でカバーされていないことや不十分かもしれないと感じる点、復職に至らないあるいは復職後すぐに再休職する要因、個別心理療法の併用件数や個別心理療法を勧めるか否か、個別心理療法に期待すること、などが項目として挙げられた。その結果、リワーク支援では定期的に個人面接を行い、主に職場環境や生活習慣、精神症状などを話題にすることが多い一方で、家族の問題や生育歴上の問題、パーソナリティについては話を深めないことが多く、リワーク支援では十分にカバーされていないと感じている施設が多かった。個別心理療法の併用に関しては、家族の問題や生育歴上の問題がある事例や、長期的なフォローが必要な事例に勧めることが多く、個別心理療法には発達障害への対応も期待していた。さらにリワーク支援施設が把握している、復職がうまくいかないクライエントの特徴として、症状の回復不十分や疾病による能力低下、発達障害やパーソナリティの問題、事業所側の要因、関係各所の連携や調整不足、家族や生活環境の問題、復職動機やリワーク参加目的の意識の薄さ、復職準備不足(休職原因の未解決)などが指摘された。 以上より、復職支援の過程では、個別心理療法とリワーク支援を適宜組み合わせて、職場不適応の個人要因および職場要因への対策を含めた解決を目指していくことが有用であると考えられた。
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