2019 Fiscal Year Research-status Report
自律的学習に資する履修計画支援プログラムの開発及び効果検証
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16K04458
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
五島 譲司 新潟大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (90360205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中東 雅樹 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (30406714)
津田 純子 新潟大学, 教育・学生支援機構, 名誉教授 (90345520) [Withdrawn]
美馬 秀樹 東京大学, 大学総合教育研究センター, 准教授 (30359658)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 自己調整学習 / 履修計画 / 学習方略 / 学修サイクル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成31年度(令和元年度)は、平成30年度に引き続き、学生が自律的に学修計画を作成することを支援する段階的な履修計画支援プログラムの構想に基づき、在学生を対象とした履修支援に関するワークショップを開催するとともに、学生の学習に対する主体性や自律性を測るアンケート調査を継続して実施した。
令和元年6月25日と26日に、当該学期の履修登録や学習状況を振り返り、学生自身の学習方略を認識するとともに、学習方略を自ら把握・調整していくことの重要性を知り、以後の学習方略について考えるワークショップを開催した。令和2年1月14日と15日には、大学卒業後に想定する進路やその進路に進むために必要な情報を調べ、大学での学習やこれまでの経験をどのように生かせるかを考えるワークショップを開催した。これらはいずれも、平成30年度に開催したワークショップの参加者(新潟大学経済学部のゼミに所属している学生46名)を対象に、継続して実施したものである。
ワークショップの開催時期に、学習に対する姿勢、態度、習慣等を問うアンケート調査を、ワークショップに参加した学生と参加していない学生に対して実施した。これで3回にわたるアンケートの回答が得られたため、両者の学生群の間の比較や経年変化の分析を行い、結果の概要を大学教育学会全国大会の自由研究発表に投稿した。また、平成28年から平成29年にかけ、3大学(新潟大学、東京大学、芝浦工業大学)計912名の学生を対象に行った履修登録に関するアンケート調査の分析結果を基に、入学直後の履修計画における問題点や履修登録に際して望まれるサポート等について考察したものを、未来のマナビフェス2019にて報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成31年度(令和元年度)は、平成30年度に企画・立案した、学生が自律的に学修計画を作成できるようになることを目的とした、自律的学修のサイクルに沿った3回シリーズの履修計画支援プログラムのうち、2回目と3回目のワークショップを試行的に開催するとともに、教育的な効果や可能性・課題について検討する予定であった。平成31年度(令和元年度)は、これらをほぼ予定通り実施できたことから、本研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで、カリキュラムや学生の履修状況に対応した履修計画支援プログラムを3回試行実施するとともに、プログラムの参加者や非参加者を対象に、学習の動機や方略、省察に関する項目の調査を行った。
しかし、これらの調査は各履修計画支援プログラムの最初に実施しており、得られた回答は、プログラムを受講する前の状態(1回目の調査)、プログラムを1回受講した状態(2回目の調査)、プログラムを2回受講した状態(3回目の調査)のものであり、プログラムを3回受講した状態を把握するには、4回目の調査を実施する必要がある。
そこで、4回目の調査を実施するとともに、調査結果を踏まえ、プログラムを通して変化が見られた学生へのインタビュー調査やプログラムの再検討等、効果検証に関わる分析をさらに進めるため、本研究の補助事業期間を1年間延長した。
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Causes of Carryover |
物品費、旅費等について、適宜、他経費との合算も行い、引き続き効率的な執行に努めた。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、令和2年3月に予定していた全体会合が中止となり、旅費の一部は執行できなかった。
令和2年度は、履修計画支援プログラムの効果検証や、履修支援ツールの改善、履修支援プログラムの主専攻プログラムにおけるガイダンス等への展開の可能性について検討を進めるとともに、本研究の成果をまとめて発信するためにフォーラムの開催や報告書の作成を行う予定である。これらの計画を遂行するため、繰り越した経費を効率的かつ効果的に執行する。
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