2020 Fiscal Year Research-status Report
自律的学習に資する履修計画支援プログラムの開発及び効果検証
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16K04458
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
五島 譲司 新潟大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (90360205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中東 雅樹 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (30406714)
津田 純子 新潟大学, 教育・学生支援機構, 名誉教授 (90345520) [Withdrawn]
美馬 秀樹 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30359658)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 履修計画 / 自律的学修 / 自己調整学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、学生が自律的に学修計画を作成することを支援する段階的な履修計画支援プログラムの構想に基づき、新潟大学経済科学部(経済学部)の学生を対象に、平成31年度(令和元年度)までに企画・開催した、計3回にわたる履修計画支援ワークショップの実施状況を分析するとともに、同プログラムの参加者や非参加者への追跡調査を実施した。 これまで、各回のワークショップの開催時に、学習に対する姿勢、態度、習慣等を問うアンケート調査を、ワークショップに参加した学生と参加していない学生に対して実施し、3回分のアンケートの回答が得られている。このため、両者の群の比較や経年変化を解析し、結果の概要を大学教育学会全国大会で発表した。 プログラムを受講した学生は、学習の動機として、授業や学習の内容に対する興味・関心が増し、自分が学習で取り組んだことを自ら振り返るようになってきている傾向にある。一方で、自分のできる範囲や、学習方略が自分に適しているかどうかを考えつつ、自分なりに学習することについては、大学での日々の学習を通して自然に身に付けている可能性がある。このように、学習における内発的動機づけの高まりや自らの学習を振り返ろうとする姿勢は、以後の学生自身の学習に主体的・自律的に取り組んでいくだけではなく、大学卒業後の社会生活においても、自律的学習者として、自身の成長や自己実現を図っていくためにも重要であり、プログラムを通して学習に対する意識が一定程度変化した可能性があることを明らかにした。 以上の調査は各履修計画支援プログラムの最初に実施しており、得られた回答は、それぞれ、プログラムを受講する前(1回目の調査)、プログラムを1回受講(2回目の調査)、プログラムを2回受講(3回目の調査)した時のものである。これらを踏まえ、プログラムを3回受講した後の状況を把握するため、令和2年度末に4回目の調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度は、これまでに実施した履修計画支援ワークショップの成果と課題を検討するとともに、教育プログラムにおける教育的な効果や可能性について検討する予定であった。 令和2年度は、これらをほぼ予定通り実施するとともに、3回目のワークショップを受講後の変化を調べるための追跡調査を行い、学業成績や履修登録時に重視する情報等との関係、学生の専攻分野やキャリア選択による傾向の違い等についても検証していくための基礎データを得ることができた。 このため、本研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、履修計画支援プログラムを3回実施してから一定時間経過後の学生が卒業を迎える時期に、4回目のアンケート調査を行った。この調査は、就職や進学など、各人が実際に進路選択を行った上で、大学での学習全般を振り返ることが可能なタイミングを捉え、プログラム受講後の変化などを探ることを目的として実施した。 今後は、この調査結果を分析し、プログラムを通して変化が見られた学生へのインタビュー調査やプログラムの再検討等、効果検証に関わる分析をさらに進めていく。併せて、本研究の成果をまとめるとともに、教育プログラムにおける履修計画支援に関わる支援の実施等の可能性について検討していくため、本研究補助事業期間を1年間延長することとした。
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Causes of Carryover |
物品費、旅費等については、引き続き、効率的な執行に努めた。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、令和2年度の全体会合はオンラインで開催することとなり、関連する学会等も含め、旅費については執行することができなかった。 令和3年度は、履修計画支援プログラムの効果検証や、履修支援ツールの改善、履修支援プログラムの主専攻プログラムへの展開の可能性等についてさらに検討を進めるとともに、本研究の成果をまとめる予定である。これらの計画を遂行するため、繰り越した経費を効率的かつ効果的に執行していく。
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Research Products
(1 results)