2017 Fiscal Year Research-status Report
アメリカにおける教員の養成・採用・研修の一体的改革の研究
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16K04502
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
成松 美枝 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (40440812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅澤 収 静岡大学, 教育学部, 教授 (90223601)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 教員の養成 / 教員の採用 / 教員の研修 / 一体的改革 / 学区と大学の連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、教員が教職生活全体を通して資質能力を向上させていくために、アメリカの大学と州及び州内の学区はどの様に連携して、養成・採用・研修での学びを接続し構成しているのかを明らかにすることである。特に、ウィスコンシン州を事例に以下の課題を究明する。 1.「養成」段階の履修内容を「採用」段階でどのように評価し教員選考に活用しているのか 2.「養成」段階の履修内容を「研修」段階でどのように深め、拡大していくのか 3.学区教育委員会は教員の「研修」の為に大学の授業をどのように活用しるのかを明らかにする。 平成29年度はウィスコンシン州の教員の養成・採用・研修の一体的改革の全体像について調査を進めた。同州では2001年のPI34の公布以降、教員が職能開発を継続できる制度の構築を進めてきた。 2016年12月には、州内の専門職スタンダード協議会が同州を含めた全国的な教員不足問題に対応する計画として、Wisconsin Talent Development Framework(以下WTDF)を州教育長に提案し、認可された。計画は教員を(1)ひきつけ(Attract) (2)養成(Prepare) (3)開発・支援・確保(Develop Support Retain)するの3要素で構成される。(1)ひきつけは、教職志望者が情報を得て、収入面の魅力を見出す (2)養成は、教員免許状取得方法、教員の需要と供給、州内の労働者不足に関する情報を得る (3)開発・支援・確保は、州内の教員雇用の情報を得るための各制度を構築し、(1)~(3)を進める上での問題点及び対応策を提示している。 「研修」に関しては、教員の職能成長の機会は、教員免許更新制の下で各教員が作成する「職能成長計画」によるものから、教員評価によるものに変化してきている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
課題1.「養成」段階の履修内容を「採用」段階でどのように評価し教員選考に活用しているのか 2.「養成」段階の履修内容を「研修」段階でどのように深め、拡大していくのか 3.学区教育委員会は教員の「研修」の為に大学の授業をどのように活用しるのか に関する調査を行うため、ウィスコンシン州のミルウォーキー市学区に対して、事例調査を依頼したが、学校評価委員会(Institutional Review Board)による倫理審査で再審査が必要となった。 現在、再審査での認可を得るべく準備を進めているが、認可を得るのが困難な場合は、州教育省の教育行政官に代わりに調査訪問を依頼する。 課題1に関しては、州立大学での調査により、州内の教員養成機関は州教育省に対して、プラキシス1と2、教育実習評価表、ed-TPAの成績を提出することが求められていることが分かった。「採用」段階で、州内の学区は教員採用候補者の「養成」段階の成績について、州教育省に提出した成績結果を基に、個人・グループ形態での面接・インタビュー選考を実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
課題1.2.3.については地方学区への事例調査の依頼を継続するが、同時に州教育省での聴き取り調査を進める。 2016年12月に発表された、ウィスコンシン州の教員養成・採用・研修の一体的改革の計画(Wisconsin Talent Development Framework) で挙げられた各問題点の対応策(Strategic Plan)の実施状況に関して、州教育省の教育行政局への訪問を行い、聴き取り調査を進める。
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Causes of Carryover |
平成29年6月にミルウォーキー市学区に調査訪問を依頼したが、調査前にミルウォーキー市学区の倫理審査委員会による調査内容についての審査が必要とされ申請したが、審査結果が不許可であった。そのため、平成29年度に予定していたアメリカ出張を延期したため残金が生じた。平成30年度に調査訪問を実施し、旅費を使用する予定である。
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