2016 Fiscal Year Research-status Report
奉安殿の教育社会史的研究-学校と地域の連携に注目して-
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16K04514
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
佐喜本 愛 九州産業大学, 国際文化学部, 准教授 (90552216)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 奉安殿 / 小学校 / 地域 / 教育史 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来、各地の学校に建設された「奉安殿」は天皇制イデオロギー注入の象徴とされてきたが、文部省が「安置」を直接指示した「奉安殿」や御真影とは違い、各地域・小学校が主体的に建設を推進していたものであり、関係者の意向を一定程度反映したものである。それは建設時期や奉安殿の形(デザイン、素材等)にそれが示されている。 本研究は従来の研究とくに制度史研究の成果を踏まえながら、「奉安殿」の建設・維持・解体を通して、「奉安殿」の取り扱いに注目する教育社会史的方法で、福岡県(筑豊地方)を研究対象として学校と地域社会の連携の具体的な構造を明らかにしようとするものである。 本年度は研究期間3年の初年度にあたるということで、奉安殿に関する先行研究の整理・検討および史料の調査・収集を中心に研究を進めた。まず、先行研究の整理・検討については、国立国会図書館、国立教育政策研究所附属図書館等の蔵書目録などにより、主要先行研究を抽出した。また、国会図書館においてはデジタルライブラリーとして納められている史料の複写を可能な限り実施した。また、福岡県立図書館、総合図書館において、奉安殿建設に関わる行政資料の調査、当該地区の小学校沿革史(百年史類)などを調査・収集した。また、福岡日日新聞等の地方新聞の調査を進め、『福岡県教育会会報』など教育雑誌の閲覧・文献収集を行った。以上の福岡県の奉安殿建設・維持・解体にかかわる資料調査により、『福岡県教育百年史』では概略しか述べられていない奉安殿に関する事実を確認する作業が進み、一定程度の成果を得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
福岡県における奉安殿関係の史料については概ね調査することができた。しかし、それを考察し、論文化するところまで至らなかった。さらに、当初計画していた福岡県(筑豊・筑後地方)の各小学校の史料収集、分析は先方の都合により、実施することができなかったため、本年度の研究は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度では、前年度の図書館レベルで確認できた歴史事実を踏まえ、前年度実施できなかった福岡県(筑豊・筑後地方)の各小学校での史料調査を実施する。
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Causes of Carryover |
予定していた「菅野誠文書」(東京工業大学教育環境創造センター)、福岡県北九州・系地区・筑後地方における小学校所蔵文書の調査・収集が実行されなかったため。さらに、購入予定していたパソコンの新製品が発表され、次年度の予算で購入することに切り替えたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
まず、予算額に合わせたパソコンの購入する。本年度は、「菅野誠文書」(東京工業大学教育環境創造センター)および福岡県北九州・京築地区・筑後地方における小学校所蔵文書の調査・収集を実行する。
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