2016 Fiscal Year Research-status Report
戦後地域社会教育と農業改良普及事業との協働―主に生活改善と青少年教育に着目して―
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16K04529
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
安藤 耕己 山形大学, 地域教育文化学部, 准教授 (30375448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 大 弘前大学, 教育学部, 講師 (50550175)
藤田 美佳 奈良教育大学, 教育学部, 特任准教授 (90449364)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 4Hクラブ / 生活改良普及事業 / 青年団 / 農業改良普及事業 / 岩手農民大学 / 公民館 / 農民大学運動 / 岩手の保健 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、3回の研究会を実施した。第1回研究会は平成28年5月22日(日)に筑波大学東京キャンパス文教校舎で実施し、研究代表者の安藤、研究分担者の藤田、松本、研究協力者の竹淵が参加した。そこでは研究計画および役割分担の確認後、「農業改良普及事業における青少年教育と生活改良普及事業の概要について」と題し、安藤が報告を行い、両事業に関する理解を深めた。第2回研究会は8月26日(金)に山形大学東京サテライトオフィスにて実施した。日本社会教育学会第63回研究大会での発表に向け、安藤が先行研究レビューを行った。また、藤田が8月に実施した秋田県調査の報告を行った。第3回研究は平成29年2月18日(土)に山形大学東京サテライトオフィスで実施した。10月に実施した秋田県調査の報告を藤田と安藤が行った後、本年度の反省および次年度研究計画の確認をした。 実地調査として、秋田県調査を8月、10月・11月に実施した。8月は藤田が主に県立図書館の資料調査を、10月・11月は藤田と安藤が第139回秋田県種苗交換会の視察および関係者へのインタビューを実施した。また、安藤と竹淵が4月に長野県の個人宅において、さらに安藤が5月、9月に国立国会図書館での資料調査を実施した。 学会発表については、9月17日(土)に弘前大学で開催された日本社会教育学会第63回研究大会自由研究発表において、「戦後地域社会教育と農業改良普及事業との協働に関する研究(1)―主に1970年代までの生活改善と青少年教育における協働について―」と題し、安藤と竹淵が登壇し報告した。同報告では1960年代末から岩手県花巻市で社会教育行政と農業改良普及所の共同事業として実施されていた、「花巻市農村青年ゼミナール/花巻市営農学園」の事例を示しつつ、戦後の社会教育行政と農業改良普及事業の協働の実態について、その一端を示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は岩手県での資料収集およびインタビューを無理に実施せず、従前に収集していた資料の成績と分析にその分、時間を割いた。これに基づき、詳細な内容の学会発表が準備できたと考える。また、秋田県調査は当初の想定以上に展開させることができた。一方、成果公表が学会発表1件であったこと、長野県調査は1回のみ、青森県調査は未着手に終わったため、上記の進捗状況とした。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、戦後における社会教育と農業改良普及事業との協働に関し、主に1970年代までの生活改善と青少年教育における協働に関する部分の概要を確認し、また岩手県の事例でその内実を示すことができた。次年度は本研究の目的として挙げていた、それらの事業において用いられた学習方法や職員(公民館職員・生活改良普及員・農業改良普及員等)の役割の解明、それらの成果に関する長期的スパンによる検討を緻密に行うため、まずは生活改良普及員OGへのインタビューを蓄積させ、また関わる資料を収集することに重点を置く。それをもとに学会発表を2回、文章化を2本以上を実施する予定である。また、藤田と松本が中心になり、秋田県農業近代化ゼミナールの展開に関するインタビュー調査を実施する予定である。これも学会発表と文章化を予定している。
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Research Products
(1 results)