2017 Fiscal Year Research-status Report
就学前施設における家族レジリエンスを高める子育て支援プログラムの開発と検証
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16K04553
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
松井 剛太 香川大学, 教育学部, 准教授 (50432703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 博雄 香川大学, 教育学部, 准教授 (20352883)
片岡 元子 香川大学, 教育学部, 准教授 (40709242)
常田 美穂 (松本美穂) 香川短期大学, その他部局等, 講師(移行) (80711499) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 子育て支援 / ポートフォリオ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ポートフォリオの子育て支援に関する効果を明らかにするために、次の2点を実施した。 第1に、ポートフォリオに記載された保護者の記述内容の分析と保護者4名を対象としたフォーカスグループインタビューの実施である。第2に、デジタルポートフォリオの使用と家族レジリエンスとの関連を明らかにするために、デジタルポートフォリオ実施園の保護者を対象としたアンケートを実施した。 保護者の記述内容の分析では、保護者9名の記述内容について、3年間の経年変化を明らかにした。加えて、そのうちの4名の保護者を対象にフォーカスグループインタビューを実施し、ポートフォリオの取り組みが子育て支援に及ぼす影響を検討した。その結果、保護者はポートフォリオの写真や記録に対して行動主義的、能力主義的に見る傾向が強く、それらを子育ての参考にしたり、子どもの理解を深めたりすることに活用していることがわかった。さらに、対象の子どもが第1子の保護者の場合、子どもの保育園での生活に関する情報を得て、保育園への安心感や信頼感を持つと同時に、子どもとの関わりや子育ての方法の参考にしていたことが明らかになった。これは初めての子育て、初めての保育園という状況が影響していると考えられた。一方、第2子以降の保護者の場合、子どもの良さを発見することや本人の喜びとなっていることがわかった。これは、子育てに慣れたからこそ見過ごしがちな子どもの成長やそれに対する喜びを補う役割をポートフォリオが果たしていたことが明らかになった。子育てに慣れ、保育園での生活にも理解がある状態の保護者に関しては、ポートフォリオは本人やきょうだいも含めて家族全体で子どもの育ちを楽しむ作用をもたらしていると考えられた。 デジタルポートフォリオ実施園のアンケートについては、分析途中である。父親、母親の別、対象クラスの別によっての分析を計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
デジタルポートフォリオ実施園におけるアンケートの分析がまだ終了していない点において、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究としては、まずアンケートの分析をして、子育て支援の効果に関して明らかにするとともに、すでにデジタルポートフォリオを実施している園における改善方法を提案し、その実践を試行・評価することを行う。
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Causes of Carryover |
次年度はアンケートの分析に伴う人件費、研究成果の発表に関する旅費で予算を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)